2024年4月24日に令和6年度(2024~25シーズン)の強化選手が発表されました。
これまでの強化選手指定傾向から、今回の強化選手の選定について見ていきましょう。
強化選手の指定要件
近年の傾向から、男女シングルでは以下要件により強化指定を行っているものと思われます。
特別強化選手
- 全日本選手権1~3位
- 四大陸選手権1~3位
- 世界選手権1~3位
- SB上位者(おそらく10位以内)
- 世界ジュニア選手権1~3位
- オリンピック・世界選手権メダリストは、前シーズンを怪我等で全休した場合、柔軟に対応して特別強化認定することがある(理由も関係している可能性大)。
強化選手A
- 全日本選手権4~8位
- 全日本ジュニア選手権1~3位
- グランプリシリーズ出場選手(1・2戦どちらでも)
強化選手B
- 全日本選手権9~12位
- 全日本ジュニア選手権4~8位
- ジュニアグランプリシリーズ派遣選手(1・2戦どちらでも)
令和6年度強化選手
男子シングル
特別強化選手
| 氏名 | 満たしている要件 |
|---|---|
| 宇野 昌磨 | ・全日本選手権1位 ・SB4位 |
| 鍵山 優真 | ・全日本選手権2位 ・四大陸選手権1位 ・世界選手権2位 ・SB2位 |
| 山本 草太 | ・全日本選手権3位 |
| 三浦 佳生 | ・SB7位 |
| 佐藤 駿 | ・四大陸選手権2位 ・SB6位 |
| 中田 璃士 | ・世界ジュニア選手権2位 |
強化選手A
| 氏名 | 満たしている要件 | 備考 |
|---|---|---|
| 友野 一希 | ・全日本選手権6位 | SB11位 |
| 壷井 達也 | ・全日本選手権7位 | |
| 吉岡 希 | ・全日本選手権8位 | SB27位 |
| 中村 俊介 | ・全日本ジュニア選手権1位 | |
| 周藤 集 | ・全日本ジュニア選手権3位 |
友野選手はSB11位で強化選手Aとなっているため、SB10位以上が特別強化選手の要件となっていることがわかります。
強化選手B
| 氏名 | 満たしている要件 |
|---|---|
| 三宅 星南 | ・全日本選手権9位 |
| 島田 高志郎 | ・全日本選手権11位 |
| 片伊勢 武アミン | ・全日本選手権12位 |
| 垣内 珀琉 | ・全日本ジュニア選手権4位 |
| 西野 太翔 | ・全日本ジュニア選手権5位 |
| 田内 誠悟 | ・全日本ジュニア選手権6位 |
| 蛯原 大弥 | ・全日本ジュニア選手権7位 |
| 高橋 星名 | ・全日本ジュニア選手権8位 |
女子シングル
特別強化選手
| 氏名 | 満たしている要件 |
|---|---|
| 坂本 花織 | ・全日本選手権1位 ・四大陸選手権1位 ・世界選手権1位 ・SB1位 |
| 千葉 百音 | ・全日本選手権2位 ・四大陸選手権1位 ・SB4位 |
| 島田 麻央 | ・全日本選手権3位 ・世界ジュニア選手権1位 ・SB3位 |
| 上薗 恋奈 | ・世界ジュニア選手権3位 |
| 渡辺 倫果 | ・四大陸選手権3位 ・SB10位 |
| 吉田 陽菜 | ・SB9位 |
強化選手A
| 氏名 | 満たしている要件 | 備考 |
|---|---|---|
| 三原 舞依 | ・全日本選手権5位 | SB33位 |
| 山下 真瑚 | ・全日本選手権8位 | |
| 住吉 りをん | ??? | SB15位 GPF6位 全日本選手権10位 |
| 櫛田 育良 | ・全日本ジュニア選手権2位 |
住吉選手の満たしている要件が良くわかりませんね。全日本選手権の成績だけだと、間違いなく強化選手Bです。ちなみに、住吉選手は令和5年度強化選手において、当初は全日本選手権13位以下/SB20位で強化指定なしでした(最終的にはGPS派遣により強化指定A)。しかし、今回は最初から強化指定Aになっています。
SB15位とSB20位に差をつけるとはあまり思えないため、グランプリファイナル6位が何らかの要件を満たしている可能性が高いです。
強化選手B
| 氏名 | 満たしている要件 |
|---|---|
| 青木 祐奈 | ・全日本選手権9位 |
| 江川 マリア | ・全日本選手権11位 |
| 樋口 新葉 | ・全日本選手権12位 |
| 髙木 謠 | ・全日本ジュニア選手権4位 |
| 柴山 歩 | ・全日本ジュニア選手権5位 |
| 村上 遥奈 | ・全日本ジュニア選手権6位 |
| 河野 莉々愛 | ・全日本ジュニア選手権7位 |
| 横井 きな結 | ・全日本ジュニア選手権8位 |
考察
基本的には順当に強化指定されたという印象が強いです。
気になったのは、友野一希選手の強化選手A扱い。彼はSB11位です。全日本選手権他のチャンピオンシップのメダルがなく、特別強化指定を受けている三浦佳生選手はSB7位、吉田陽菜選手はSB9位ということを考えると、SB10位以内が特別強化指定を受けるための要件と考えて良いでしょう。
全日本選手権10位の本田ルーカス剛史選手は、強化選手Bの要件を満たしていましたが名前はありませんでした。ペアの強化選手Bで名前があるので、男子シングルの方は辞退したんでしょう。いよいよペアに専念するということでしょうか。
住吉りをん選手はグランプリファイナルの成績が加味されている可能性が高いですが、実際のところはどうなのかわからないですね。ここは今後の強化選手の傾向から判断したいところです。
あとは、グランプリシリーズのアサイン、ジュニアグランプリシリーズのエントリーによる強化選手追加を待つだけですね。現在、強化選手Bの島田高志郎選手、樋口新葉選手はグランプリシリーズアサインの可能性があるので、強化指定Aに上がる可能性が高いです。青木祐奈選手はSB32位なのでアサインがあるかどうかボーダーラインです。どうなるでしょうか。
今回、強化選手発表に名前がなかった有力選手は、河辺愛菜選手(全日本13位、SB70位)松生理乃選手(全日本17位、SB14位)、中井亜美選手(全日本ジュニア10位、SB20位)です。
松生選手はSB14位なのでグランプリシリーズ1戦は間違いなくあるでしょう。強化選手Aが想定されます。中井選手もよっぽど状態が悪くなければジュニアグランプリシリーズのエントリーされるので強化選手Bに入ると思います。河辺選手は本当の瀬戸際ですね。

