はじめに
2026年ミラノオリンピックのフィギュアスケート日本代表が決定しました。
ここでは、
日本スケート連盟が公表している選考基準をもとに、
代表選考がどのようにして行われていたのかを整理していきます。
男子シングル
男子シングルの出場枠は3枠。
1枠目
- 全日本選手権優勝者を選考
- 鍵山優真(1位/287.95)
2枠目
- 全日本選手権2位、3位
- 佐藤駿(2位/276.75)
- 三浦佳生(3位/261.18)
- グランプリファイナル出場上位2名
鍵山優真(2位/302.41)※選考済み- 佐藤駿(3位/292.08)
- シーズンベスト(SB)上位3名
鍵山優真(2位/302.41)※選考済み- 佐藤駿(3位/292.08)
- 三浦佳生(15位/253.69)
- 友野一希(17位/251.46)
ここで選考対象となるのは、佐藤駿、三浦佳生、友野一希の3名。
3項目のいずれもトップの成績を残している佐藤駿が選考されました。
2枠目の選考は文句なしで決定したと思われます。
3枠目
- 全日本選手権2位、3位
佐藤駿(2位/276.75)※選考済み- 三浦佳生(3位/261.18)
- グランプリファイナル出場上位2名
鍵山優真(2位/302.41)※選考済み佐藤駿(3位/292.08)※選考済み
- シーズンベスト(SB)上位3名
鍵山優真(2位/302.41)※選考済み佐藤駿(3位/292.08)※選考済み- 三浦佳生(15位/253.69)
- 友野一希(17位/251.46)
- 世界ランキング(WS)上位3名
鍵山優真(2位/4772pt)※選考済み佐藤駿(5位/3985pt)※選考済み- 三浦佳生(11位/2976pt)
- 友野一希(16位/2546pt)
- 山本草太(17位/2403pt)
- 今季国際競技会ポイント上位3名
鍵山優真(1390pt)※選考済み佐藤駿(1267pt)※選考済み- 友野一希(860.5pt)
- 壷井達也(575pt)
- 三浦佳生(485pt)
- 今季総合得点平均上位3名
鍵山優真※選考済み佐藤駿※選考済み- 友野一希(248.52)
- 三浦佳生(243.36)
- 山本草太(236.18)
2枠目の選考から漏れた三浦佳生、友野一希に加えて、山本草太、壷井達也も選考対象に。
しかし、山本・壷井については、いずれの項目でも三浦・友野を下回っています。
よって、3枠目争いは三浦・友野のいずれかに絞られました。
シーズンベスト、世界ランキング、そして全日本選手権の成績で上回る三浦
今季国際競技会ポイント、今季総合得点平均で上回る友野
いずれかを選考するのかについては議論があったと、竹内強化部長も説明しています。
最終的な判断としては、”メダルを取る”という観点で議論したとのこと。
結果として、三浦選手が3枠目となりました。
女子シングル
女子シングルの出場枠は3枠。
1枠目
- 全日本選手権優勝者を選考
- 坂本花織(1位/234.36)
2枠目
- 全日本選手権2位、3位
島田麻央(2位/228.08)※年齢制限により選考対象外- 千葉百音(3位/216.24)
- グランプリファイナル出場上位2名
- 中井亜美(2位/220.89)
坂本花織(3位/218.80)※選考済み- 千葉百音(5位/210.22)
- シーズンベスト(SB)上位3名
坂本花織(1位/227.18)※選考済み- 中井亜美(2位/227.08)
- 千葉百音(5位/217.23)
- 住吉りをん(6位/216.06)
ここで選考対象となるのが、千葉百音、中井亜美、住吉りをんの3名。
シーズンベストで千葉・中井から遅れを取っている住吉が外れ、千葉・中井の比較になったものと思われます。
最終的に2枠目として、中井選手が選考されます。
この理由として、「国際競技会における選考項目での内容、そのうち2回の国際競技会において坂本選手より上位で終えた成績を評価」したと竹内強化部長は説明しています。
3枠目
- 全日本選手権2位、3位
島田麻央(2位/228.08)※年齢制限により選考対象外- 千葉百音(3位/216.24)
- グランプリファイナル出場上位2名
中井亜美(2位/220.89)※選考済み坂本花織(3位/218.80)※選考済み- 千葉百音(5位/210.22)
- シーズンベスト(SB)上位3名
坂本花織(1位/227.18)※選考済み中井亜美(2位/227.08)※選考済み- 千葉百音(5位/217.23)
- 住吉りをん(6位/216.06)
- 世界ランキング(WS)上位3名
坂本花織(1位/5074pt)※選考済み- 千葉百音(2位/4479pt)
- 吉田陽菜(11位/2815pt)
- 渡辺倫果(13位/2748pt)
- 今季国際競技会ポイント上位3名
中井亜美(1390pt)※選考済み坂本花織(1318pt)※選考済み- 千葉百音(1210pt)
- 渡辺倫果(1021.5pt)
- 住吉りをん(837pt)
- 今季総合得点平均上位3名
坂本花織(225.71)※選考済み中井亜美(223.99)※選考済み- 千葉百音(217.23)
- 住吉りをん(212.83)
- 渡辺倫果(209.05)
3枠目選考では、2枠目から漏れた千葉・住吉に加えて、吉田陽菜・渡辺倫果が選考対象に。
しかし、上記リストを見ると、全項目において千葉選手がトップの成績となっています。
3枠目は議論の余地がなく、千葉選手が選考されたものと思われます。
選考プロセス考察
フィギュアスケートの代表選考は毎年大きな議論を巻き起こしてきました。
なぜこの選手ではなく、この選手なのか?という声が上がることもありました(個人的には、こうした風潮は好きではないですが)。
これらを考えれば、今回のミラノオリンピック代表選考はさほど意見が割れることなく、多くの人にとって順当と思われる選考結果になったのではないかと思います。
そのなかで、今後の参考になるのは、男子3枠目選考と女子2枠目選考でしょうか。
男子3枠目選考については、全日本前の情勢というかファンの間での認識としては、全日本以外の選考基準を見ると三浦・友野の一騎打ちで勝った方がオリンピック代表だろう。山本・壷井は三浦・友野に対してやや遅れをとっており、全日本である程度差をつけないとオリンピック代表は厳しいという認識でした。
三浦=友野>山本>壷井みたいな感じですね。
しかし、全日本選手権の結果(三浦3位、友野6位)を経ても、安定した高成績という観点から友野選手を代表に推す意見もあったと竹内強化部長は述べています。つまり、全日本前の連盟の評価は、三浦=友野>山本>壷井ではなく、友野>三浦>山本>壷井だったわけですね。この評価を、全日本選手権の結果を踏まえて、三浦選手がひっくり返したと。
加えて指摘すると、オリンピック第一補欠は友野選手、第二補欠は山本選手でした。これは、三浦選手の全日本選手権の成績は友野選手を逆転するのに十分な成績だった一方、山本選手の全日本選手権の成績は友野選手を逆転するのに不十分だったということになります。
従来は全日本選手権という大一番で最高の演技を披露できるかという勝負強さが評価されていましたが、昨今(というか、2022~23シーズン以降)の代表選考では、全日本選手権までの大会の重要性がかなり高まっているように思われます。
女子2枠目選考については、全日本選手権のメダリストである千葉百音、グランプリファイナルのメダリストである中井亜美の比較となり、中井選手が2枠目として選考されました。もちろん、シーズンベストでは中井選手が千葉選手を上回っていますが、グランプリファイナルのメダルは全日本選手権のメダルよりも評価が高いということになっているわけですね。
全日本選手権でも上位に来る選手がグランプリシリーズに参戦していて、世界の強豪も出場していることを鑑みると、グランプリシリーズ、その後のファイナルにおけるメダルは全日本選手権のメダルよりも評価が高いということでしょう。まあ、全日本選手権にはグランプリシリーズにはいない日本の強豪ジュニア選手が出場するということはありますが…。
以前執筆した記事で考察した代表選考傾向と概ね一致していることが確認できた今大会でした。

