プリンスアイスワールド横浜公演観戦記

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この記事で書いていること

GW期間中に新横浜スケートセンターで開催されたプリンスアイスワールド(PIW)横浜公演に行ってました!

5月5日に2公演観戦し、お昼公演が奮発してプレミアムシート1、夕方公演がスタンドS席でした!

今回の記事では、PIWの観戦記録として、感想を書き綴っていきます。

基本情報

出演者

プリンスアイスワールドチームの方々がメインで出演しています。そこに、ゲストという形で現役・プロのスケーターが参加しています。詳細はPIWのホームページから確認ができます。

チケット料金

PIWホームページより引用(最終確認日:2023年5月6日)
学生料金、こども料金があることがとても素晴らしいと思います。フィギュアスケートはやるのはもちろん、見るにも非常にお金がかかるスポーツです。結果として若くてお金がない世代の人が、フィギュアスケートに直接触れる機会をあまり持つことが出来ません。そしてその事はスポーツとしてのフィギュアスケート、娯楽としてのアイスショー文化の衰退に繋がる恐れがあります。
PIWではスタンドS席のみとはいえ学生割引を設定し、通常価格10000円の半額5000円でチケットを販売しています。また、こども料金も、スタンドS・A席に設定されています。若い学生、子どもがいる若い夫婦等もアイスショーに来やすくし、フィギュアスケートやアイスショー文化を守る非常に重要な取り組みだと思いました。
また、リピーターチケットとして、お昼公演のチケットを持っていくと、夕方公演のチケットを値引きしてくれます。私はこの制度が適用され、5月5日夕方公演のチケットは、スタンドS席通常価格の10000円を7000円で購入することができました!

他のアイスショーにない特徴

群舞
他の日本国内のアイスショーは、現役・プロのスケーターが集まって各々が演技を行いますが、PIWでは先に述べたようにPIWチームの演技があるので、個人でのプログラムよりも群舞が多めになります。
ふれあいタイム
また、ふれあいタイムもPIWのみの特徴です。演技後に出演スケーターがリンクを周回し、お話したり、握手したり、プレゼントを渡したりといった時間が設けられています。コロナ禍により、ここ数年はふれあいタイムの開催はありませんが、ふれあいタイムに代わるイベントとして、昨年まではフォトタイム、今年はMeet&Greetが開催されました。
ふれあいタイムは、全出演者がリンク4方向に整列して観客席から写真撮影。Meet&Greetでは全出演者が5人程度のグループに分かれ、リンクをゆっくり周回します。周回する出演スケーターに対して、プレゼント渡し、握手といった直接の接触は出来ませんが、一言声をかけたり、してほしいポーズをお願いして写真を撮らせてもらったりということはできました!
フォトタイム、Meet&Greet、ふれあいタイムの3つとも参加したことがありますが、フォトタイムが一番出演スケーターとの接触が少なく、ふれあいタイムが一番出演スケーターとの接触が多いというイメージです。基本的に日本のアイスショーは動画写真撮影が禁止なので、これら機会は超レアです。

演技の感想

PIWチーム

とくに印象に残ったのは、浅見琴葉さん「命をあげよう」、小沼祐太さん「Bring him home」、野晃平さん、唐川常人さん「ジキルとハイド」あたり。
特に浅見さんの「命をあげよう」はとても感動的でした。映画「ミス・サイゴン」はまだ見たことがないんですが、「命をあげよう」の歌詞とリンクする浅見さんの母性感じる演技。優しく強い母の愛情を感じる素晴らしい演技でした。子供役のキッズスケーターが登場したのも良かったですね。

鍵山優真さん

今公演で二十歳を迎えたバースデーボーイ。成人男性とは思えないかわいさをMeet&Greetでは振り撒いていました。一方で披露した新プログラム「ウェルテル」は2026年ミラノ五輪を見据えて作られた非常に完成度の高いプログラムとなっていました。
彼の過去のプログラムだと、2019~20シーズンSP「宿命」をさらに進化させたイメージです。

宇野昌磨さん

「Padam,Padam」、「Come Together」の2つのプログラムをお昼公演、夕方公演で分けて演技しました。「Padam,Padam」は本人が来シーズンのSPにするかもと話していたとおり、4F,4T3T//3Aの試合でのジャンプ構成で演技を披露。「Come Together」は今回初披露でしたが、このエネルギー、体の使い方は宇野選手しか出せないのではないかと思わせるものがありました。

荒川静香さん

ミュージカル「キャッツ」のプログラムを披露しました。現役引退から20年近くが経っているにもかかわらず、全く衰えない技術に毎回驚かされます。今回もキレのある2Aを跳び、美しいスケートを披露していました。このキャッツの衣装を完全に着こなせる41歳は他にいないでしょう。

樋口新葉さん

新プログラム「Fix You他」を披露しました。おそらく来シーズンのフリースケーティング(FS)プログラムになるんでしょう。まだ2Aとダブルジャンプでしたが、ジャンプ7本をしっかり入れていました。個人的に今回ゲストスケーターが披露したプログラムの中で、一二を争うくらい好きなプログラムです。エモーショナルな前半、感情が爆発する後半の対比が見事でした。

本田真凜さん

新プログラム「Faded」を披露しました。この曲は紀平選手のイメージが強いのですが、紀平選手は黒と青の衣装で音すべてをキレキレに拾っていたのに対し、真凜選手は白と水色の衣装で伸びやかなスケーティングと動きで音を拾っていたのが印象的でした。

住吉りをんさん

新ショートプログラム(SP)「blood in the water」を披露しました。新路線であるオリエンタルな雰囲気のプログラムですが、既に滑りこなすことができており、さすがだと思いました。彼女は演技中すごく身長が高く見えるんですよね。170cm以上あるんじゃないかと思うくらいスケールの大きい演技をしているんですが、演技後意外に小さくて毎回驚かされます。

友野一希さん

2021~22シーズンFS「ラ・ラ・ランド」を披露しました。アイスショーでFSを披露するときはプログラムを短縮させがちですが、完全にフルで演技してくれてうれしかったです。今回のPIWのテーマであるブロードウェイとも合っていて、その辺りも考慮したのでは?さすがは友野くん!という演技でした。

本田武史さん

「Your Song」を披露しました。白い一輪のバラに思いを込めながらの演技、とても素敵でした。わかりやすく表現力が良い!というタイプのスケーターではないと思うんですが、複数回見て良さがどんどん出てくるスルメイカのようなプログラムと演技でした。

三浦佳生さん

新プログラム「Natural」を披露しました。この曲も彼の得意路線ですね。彼のあふれ出るエネルギーと曲が非常に合っていました。ズボンにじゃらじゃらが付いていてジャンプ跳びにくそうですが、簡単に4回転ジャンプを跳んでいるあたりさすがです。おそらく来シーズンのSPになると思われますが、衣装はこのままでいくのかどうかも気になるところです。

 

全体を通しての感想

良かった点

ソロ、ペア等の少数メンバーでの演技が増えた
PIWと言えば群舞のイメージが強かったですが、今回ソロ、ペアでの演技が増えました。結果としてこの試みは大正解だったと考えています。先にも印象に残ったプログラムを数点あげたんですが、全てソロもしくはペアでの演技なんですよね。そしてただのソロ・ペアプログラムというわけではなく、生歌での演技、表現するため男の子が出てきたりと、群舞ではない、かといって現役・プロスケーターが滑るようなエキシビションプログラムでもない、新しいアイスショーのプログラムになったのではないでしょうか。
また、スケーター個人の良さを発見することが出来ます。
群舞では演技するスケーター個人がどう見えるかよりも、全体がどう見えるのかをより重視していると考えられます。少人数でのプログラムの方が、スケーター個人の良さを感じることができる。結果としてスケーター個人へのファン定着にも繋がるのではないでしょうか。
PIWというアイスショーのファン、そして出演するPIWメンバー個人へのファン、その両者を作り、両輪を回していくことができるのではないかと思いました。
個々のプログラムは全てレベルが高く、世界観を表現できている
先にあげたプログラムの他、「レ・ミゼラブル」「サウンドオブミュージック」等のミュージカルをスケートリンクの上で再現してくれましたが、演技、演出、衣装すべてがプログラムの世界観を表現する非常にクオリティの高いものに仕上がっていました。
また、おそらく意図的かと思いますが、すべての曲の歌詞が日本語となっていました。英語等ではなく、日本語歌詞とすることで、演技するミュージカルを見たことがない人も曲の歌詞を聞いて、どのような場面で歌われたどのような曲なのかなんとなくイメージができる。ミュージカルを見ている人もそうでない人も楽しめる構成になっていたと思います。
後ろの席でも楽しめる
今回比較的後ろの方のスタンドS席でも観戦しましたが、むしろ群舞の全体像を見るという点では、後ろの席の方が楽しめるのではないかと思いました。
後ろの席と言っても、会場がそこまで大きくないのでリンクとの距離はそこまで離れているわけではありません。スケーターは後ろの席まで意識した演技をしてくれていたのでとても満足感がありました。

気になった点

PIWメンバーの紹介がない。ゲストの紹介もフィナーレまでない
昨年以前の公演では、冒頭に映像等でPIWメンバーの紹介があったと記憶していますが今回の公演ではPIWメンバーの紹介が一切ありませんでした。「あのプログラムがすごく良かった!ところで演技していた人は誰?」となるのは少し寂しい気がします。オープニングで何らかの紹介がほしいところです。
また、ゲストスケーターの紹介もフィナーレのみでした。やはり演技前にアナウンスを行ってほしいので、ゲストスケーターについてもオープニングで簡単に紹介がほしいですね。
ショー全体の構成への疑問
ブロードウェイをテーマとして様々なプログラムが演技されました先に述べたように個々のプログラムは非常にレベルの高い仕上がりとなっていましたが、ブロードウェイがテーマとなったためか同じような曲調のプログラムが多く、アイスショー全体を通した起承転結ができていたのかどうかがやや疑問でした
突然登場したサブスク
これはどうしても不評にならざるを得ないでしょう。突然PIW横浜公園のサブスクが発表され、2980円でスタンドS席(10,000円相当)の座席での演技が見放題となりました。このサブスクが最初のチケット販売と同時に発表されていれば特に問題はないと思います。サブスク、通常のチケット販売という選択肢が事前に提示された上で、ファンがいずれかを選択すれば良いからです。
しかし、サブスク情報が出たのはショー開演の4日前であり、ほとんどのファンは既にチケットを購入済みだったと考えられます。その状況で、後からチケットを購入した方がお得になるような制度を導入するというのは、ファンから不満の声が上がるのは当然だと思います。
個人的に…ですが、チケットを全席さばきたいということであれば、リピーターチケットをさらに宣伝する。もしくは、現行の横浜市民割引の範囲を広げて神奈川県民割引とする、地域の小学生等を招待する等で裾野を広げる取組を行ってほしいと思いました。その方が中長期的に見て、最終的にはPIWの利益につながるように感じました。

おわりに

最後の方に色々と問題提起をしてしまいましたが、素晴らしいアイスショーであることは間違いないです。6月に佐賀公演もありますので、お近くの方はぜひぜひ行ってみてください!

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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