2023年全日本選手権観戦記【男子シングル】

皆さん、こんにちは。

2023年全日本選手権の観戦記第3段、歴史に残る神大会になった男子シングルです。

目次

大会結果

総合結果

スクロールできます
PL選手名所属SPFSPoints
1.宇野昌磨トヨタ自動車12298.04
2.鍵山優真オリエンタルバイオ/中京大学31292.10
3.山本草太中京大学23287.00
4.三浦佳生オリエンタルバイオ目黒日大高44280.08
5.佐藤駿エームサービス/明治大学56273.04
6.友野一希上野芝スケートクラブ65271.52
7.壷井達也シスメックス77252.34
8.吉岡希法政大学88249.38
9.三宅星南関空スケート109226.12
10.本田ルーカス剛史木下アカデミー1410217.62
11.島田高志郎木下グループ1112215.97
12.片伊勢武アミン関西大学1811212.26
13.佐々木晴也京都大学1713208.87
14.中村俊介木下アカデミー919207.70
15.櫛田一樹倉敷FSC1218204.27
16.杉山匠海岡山大学1516202.64
17.中田璃士TOKIOインカラミ1617200.27
18.垣内珀琉ひょうご西宮FSC2114196.30
19.蛯原大弥明治神宮外苑FSC2415192.96
20.高橋星名木下アカデミー1922191.77
21.田内誠悟富士FC2320190.01
22.大島光翔明治大学2023189.36
23.木科雄登関西大学2221188.12
Withdrawn
周藤集ID学園高等学校1374.61
Final not reached
25.長谷川一輝東京理科大学2559.25
26.門脇慧丞法政大学2659.14
27.小田垣櫻日本大学2754.55
28.北村凌大日本大学2854.24
29.志賀海門法政大学2951.60
30.西野太翔神奈川FSC3050.77
2023年日本選手権 男子シングル 最終結果

ショートプログラム

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PL.選手名所属TSSTESPCSCOPRSKDeductionStN.
1宇野昌磨トヨタ自動車104.6957.1447.559.439.549.500.00#29
2山本草太中京大学94.5853.1941.398.118.398.290.00#21
3鍵山優真オリエンタルバイオ/中京大学93.9450.3144.638.868.829.041.00#28
4三浦佳生オリエンタルバイオ目黒日大高93.9152.2241.698.328.368.290.00#22
5佐藤駿エームサービス/明治大学89.8048.4241.388.328.258.210.00#23
6友野一希上野芝スケートクラブ86.8845.3641.528.298.298.290.00#26
7壷井達也シスメックス85.8546.7839.077.897.617.890.00#20
8吉岡希法政大学85.2748.0437.237.507.297.500.00#30
9中村俊介木下アカデミー80.1644.2135.957.217.187.140.00#7
10三宅星南関空スケート77.1639.8138.357.617.717.641.00#24
11島田高志郎木下グループ76.5737.2640.318.078.147.931.00#19
12櫛田一樹倉敷FSC75.5440.0735.477.077.216.960.00#8
13周藤集ID学園高等学校74.6140.7933.826.756.686.820.00#5
14本田ルーカス剛史木下アカデミー73.5838.0235.567.077.187.040.00#13
15杉山匠海岡山大学71.6839.4332.256.466.466.390.00#9
16中田璃士TOKIOインカラミ71.4537.0434.416.896.717.000.00#18
17佐々木晴也京都大学70.8837.1133.776.796.826.610.00#15
18片伊勢武アミン関西大学70.4135.6935.727.217.007.181.00#27
19高橋星名木下アカデミー68.2837.9230.366.146.046.000.00#1
20大島光翔明治大学66.8931.9434.956.937.216.790.00#25
21垣内珀琉ひょうご西宮FSC64.5833.4332.156.396.436.431.00#14
22木科雄登関西大学64.5230.8333.696.646.896.640.00#12
23田内誠悟富士FC63.8931.2032.696.616.506.460.00#3
24蛯原大弥明治神宮外苑FSC61.8532.3330.526.145.936.211.00#4
25長谷川一輝東京理科大学59.2528.7330.526.145.966.180.00#10
26門脇慧丞法政大学59.1428.2530.896.326.076.110.00#16
27小田垣櫻日本大学54.5527.3928.165.645.685.541.00#2
28北村凌大日本大学54.2423.5330.716.146.216.040.00#17
29志賀海門法政大学51.6024.8027.805.505.465.681.00#11
30西野太翔神奈川FSC50.7721.6529.125.895.865.680.00#6
2023年日本選手権 男子シングル ショートプログラム結果

フリースケーティング

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PL.選手名所属TSSTESPCSCOPRSKDeductionStN.
1鍵山優真オリエンタルバイオ/中京大学198.16105.5192.659.329.149.360.00#22
2宇野昌磨トヨタ自動車193.3598.8194.549.469.549.390.00#24
3山本草太中京大学192.42107.0485.388.368.718.570.00#23
4三浦佳生オリエンタルバイオ目黒日大高186.17100.2985.888.618.648.540.00#21
5友野一希上野芝スケートクラブ184.6499.4985.158.578.618.390.00#19
6佐藤駿エームサービス/明治大学183.2498.3284.928.578.438.500.00#20
7壷井達也シスメックス166.4987.7478.757.867.758.040.00#18
8吉岡希法政大学164.1187.5176.607.757.507.750.00#17
9三宅星南関空スケート148.9672.6176.357.617.687.640.00#15
10本田ルーカス剛史木下アカデミー144.0472.4771.577.147.217.140.00#11
11片伊勢武アミン関西大学141.8568.9172.947.297.327.290.00#7
12島田高志郎木下グループ139.4064.6875.727.717.467.571.00#14
13佐々木晴也京都大学137.9969.1568.846.966.966.750.00#8
14垣内珀琉ひょうご西宮FSC131.7267.0564.676.466.466.500.00#4
15蛯原大弥明治神宮外苑FSC131.1169.7361.386.296.006.140.00#1
16杉山匠海岡山大学130.9663.4067.566.796.826.680.00#10
17中田璃士TOKIOインカラミ128.8261.5367.296.866.466.890.00#9
18櫛田一樹倉敷FSC128.7359.0670.677.187.116.931.00#13
19中村俊介木下アカデミー127.5459.7169.837.116.867.002.00#16
20田内誠悟富士FC126.1263.0865.046.466.506.572.00#2
21木科雄登関西大学123.6058.8465.766.646.686.431.00#3
22高橋星名木下アカデミー123.4962.8461.656.296.116.111.00#6
23大島光翔明治大学122.4756.4766.006.506.716.610.00#5
WD周藤集ID学園高等学校#12
2023年日本選手権 男子シングル フリースケーティング結果

感想

宇野昌磨

女子の坂本選手と同様に、宇野選手も「噛み合っていない」ように見えました。スケート靴の問題があったみたいですね。公式練習での演技やジャンプを見ていてもこれ大丈夫かな…という印象でした。しかし、本番では坂本選手と同様に演技をしっかりまとめてきました。2023年世界選手権でもそうでしたが、本当に本番に強いです。これがベテランだからこそできる業なんでしょうか。

印象的だったのは、ショートプログラム・フリースケーティングともに4T+3Tの予定を4T+2Tにしてきたことです。昨シーズンは4T+3Tを4T+2Tに変更して、演技を確実にまとめることを優先する方が多かったです。しかし、今シーズンは多くの大会で4T+2Tではなく、4T+3Tを跳んでいました。

そして、その理由を競技での成績を一番に追い求めているわけではないから(多少無理をして減点されたとしても4T+3Tを跳ぶ)という旨の説明をしていました。現役引退が近づいているようにも感じ、寂しい思いがありました。

そんな状況下で今回4T+2Tを跳んだということは、シーズン当初よりかは競技会での成績を追い求める気持ちが戻ってきているのかな…と感じました。4T+2Tを跳んだ意図は本人のみぞ知るということでしょうが。

今シーズンの宇野選手のプログラムは、彼一人だけの世界で踊っている姿を外界から私たちが見つめている…といった雰囲気があります。感情移入するというよりは、遠いところで演技している何かすごいものを見ているといった感じです。

鍵山優真

調子は可もなく不可もなく普通に見えましたが、ショートプログラムではやや緊張に飲まれましたね。得意の4Sでジャンプの軸が大きく外れてしまい転倒してしまいました。笑ってはいけないんですが、「気が付いたら曲が始まっていて、気が付いたら転倒していた」というコメントが面白かったです。

ショートプログラムでのBeliever(私は「ゆまーバー」と呼んでいますが)を見ていて、強行出場した昨年の全日本選手権を思い出しました。昨年の時点でも良いプログラムに仕上がっていましたが、さらに演技のメリハリがついて見ごたえがあるなと感じました。

フリースケーティングのRain,in your black eyes(私は「Rain,in Yuma black eyes」と呼んでいますが)では、ステップシークエンスでバランスを崩した以外は完璧な演技を披露。フリースケーティングでは1位でした。職人技と言いたくなるような細部までこだわった極上のプログラムを見せてくれました。

恐ろしいのは、このフリースケーティングのジャンプ構成が4回転2本しか跳んでいないということです。もう1つ付け加えると、3回転以上のジャンプは2種類まで繰り返し跳ぶことが可能ですが、鍵山選手は1種類しか繰り返し跳んでいません(3Aのみ)。ジャンプ構成だけ見ると、今大会7~8番手辺りになるんですが、質の高さで点数を稼いてフリースケーティング1位となりました。

演技冒頭の4Sは解説の本田さんが「完璧ですね」と言うくらいの質。GOE+4.30も稼ぎました。今大会では、これまでなかった着氷後に右手を流すような振り付けを入れていますね。彼のジャンプ着氷後のお手々の動きはその場のノリでやっている感があるんですが、この動きは非常に奇麗でジャンプ着氷後の見栄えも良いので続けてほしいです。

ちなみに、ステップシークエンスで少し躓いた時、私はお願いポーズしていた手で「がんばれがんばれ」と太ももを叩いていました。

山本草太

2023年全日本選手権の男子シングルは、フリースケーティング第3グループの途中から全員が会心の演技を披露するという神大会。真の世界一決定戦は世界選手権ではなく、全日本選手権ではないか?というレベル。全員がMVPでしたが、誰か1人MVPを決めなければいけないのであれば、山本草太選手が今大会男子シングルのMVPでしょう。

ショートプログラム、フリースケーティングともに完璧な演技を披露。特に、フリースケーティングではジャンプを決める度にガッツポーズしていました。計3回のガッツポーズ。中田璃士選手もジュニアグランプリで高難度ジャンプを決める度にガッツポーズしていましたね。やはり時代は複数回ガッツポーズ。

大怪我による欠場や、1回転ジャンプしか跳べない時期も見ていただけに、よくぞここまで戻ってきてくれた!という素晴らしい演技でした。

ところで、ジョージアのスーパースターことアナスタシア・グバノワ選手も豪快なガッツポーズで有名。2022年世界選手権フリースケーティングで、最後のジャンプを成功させて大きくガッツポーズしています。そして、そのガッツポーズを見て、プログラムの雰囲気を壊すから演技中のガッツポーズはちょっと…と解説に苦言を呈されたのもまた有名な話。当時のプログラムは。映画「ウォリスとエドワード」の楽曲を使った儚げな雰囲気のプログラムでした。けど、山本選手のガッツポーズは曲の盛り上がりにも合っていましたね。隙あらばグバノワ。

https://www.youtube.com/watch?v=TVQ8gfdwDA4

三浦佳生

グランプリファイナルで胃腸炎、今大会でもショートプログラム前に体調を崩して病院(高校生だから小児科!!!)に行っていたそうな。体重も落ちており、万全な状態ではありませんでした。にもかかわらず、演技が始まると体調不調が全く感じられない迫力でした。

よくよく考えると、三浦選手って全日本にめちゃくちゃ強いんですよね。2020年はフリースケーティング5位で総合7位。2021年はオリンピック代表メンバーを最後まで追い詰めた総合4位。2022年はショートプログラム出遅れたものの、フリースケーティング2位の猛追で総合6位。そして今回は過去最高タイの総合4位です。

フリースケーティングの「進撃の巨人」は、彼の爆走スケートと迫力がなければ成立しないプログラムです。このプログラム演じこなせるのは彼だけでしょう。演じれるとすれば、全盛期のアナスタシア・タラカノワ選手くらい。

本人はスピンのノーカンにお怒りでしたが、ショートプログラムの「This Place Was a Shelter」もかなりお気に入りです。彼のこれまでのプログラムは、「進撃の巨人」のような迫力や圧を前面に出してくるプログラムが多かったですが、静かなプログラムで迫力や圧がにじみ出るようなプログラムを観たいと思っていました。この「This Place Was a Shelter」は私の望み通りのプログラムです。最後に取りこぼしたスピン2本を修正すれば、世界選手権で100点オーバーは可能でしょう。

ところで、大会前にインタビューで「ペッパーランチを450グラム食べても(グランプリファイナル中の胃腸炎で減った)体重が戻らない」と話していました。このインタビューがきっかけでペッパーランちさんとのコラボが実現しそうな2024年になっています。なんでも言ってみるもんですね。

佐藤駿

佐藤駿選手もまた、今できる完璧な演技を披露してくれました。

ショートプログラム「リベルタンゴ」では、完璧な演技を披露したものの4Fのエッジエラー(e)がありやや出遅れ。今シーズンは悪くても軽微なエラー(!)だったところがエラー扱いとなり、大きく減点となってしまいました。ここで5点ほど失っています。

この判定を厳しいと見るか、妥当と見るかは難しいところです。私は現地のスロー映像を見て、「これは…アウトで踏み切っている(=エッジエラー)かも…」とは思いました。とはいえ、私はただの素人なのでただの感想レベルです。

フリースケーティング「四季」では、そのショートプログラムの悔しさを晴らす素晴らしい演技。完璧な4Lzを跳んだあと、やや着氷が詰まった3Aには予定通り+1Eu+3Sをつけました。実は、グランプリシリーズ フィンランド大会でも同じように3Aの着氷が詰まりました。この時は安全に+1Eu+2Sにしましたが、3Sと2Sの基礎点の差で優勝とグランプリファイナル進出を逃しています。ここでの悔しい思いがあったからこそ、気合で+1Eu+3Sを跳びに行ったのかなと思いました。

今シーズンは、後述する吉岡希選手と佐藤駿選手が本当に大化けしましたね。

演技後にジャッジ席に向かって「おりゃ👊」×2したのも良かったです。

友野一希

この神演技で6位って何事?ショートプログラムこそややジャンプが揃わず出遅れましたが、フリースケーティング「Halston」は過去一良い友野一希でした。

フリースケーティングでの自己ベストは180.73点(2023年世界選手権)でしたが、今回184.64点を叩き出して自己ベスト更新しました(国内大会なので参考記録ですが)。友野選手は見た目は高校生くらいに見えるんですが、実際は25歳なのでベテラン選手です。年齢的には競技生活の終わりが見えてきている状態ですが、一体いつまで進化し続けるんだ…?というレベルです。

今シーズンのプログラムは2本ともに、新しい路線に挑戦しています。The 友野一希というプログラムではないんですが、2026年ミラノオリンピックを見据えると今しか挑戦できるシーズンはありません。そして、その挑戦に見事打ち勝ったのが今回の全日本選手権でした。

フリースケーティング「Halston」では、最終盤のコレオシークエンスが終わり、最後のスピンの途中から拍手が鳴りやみませんでした。静けさの中、どんどん大きくなっていく拍手と歓声。素晴らしい演技と素晴らしい瞬間でした。ここまでの演技で世界選手権はおろか、四大陸選手権代表にも届かないのはもう枠が悪い。

壷井達也

「この神演技で7位!?!?」と叫びたくなります。(この感想ばかり)昨年の全日本選手権なら3位相当のスコアです。フリースケーティングでは最終グループの直前に演技していたので、最終グループのメンバーは彼の点数を聞いて焦ったでしょう。最終グループのメンバーは6分間練習の直前でリンクサイドに来ているので、点数発表のアナウンスが嫌でも聞こえてしまいます。

フリースケーティング「Torn(Nathan Lanier)」は昨シーズンから継続のプログラム。初披露だった2022年ドリームオンアイスで見て「めちゃくちゃ良いプログラムやんけ!!!」と思いましたが、なかなかまとまらず…。今回ここで完成形を見ることが出来てとてもうれしいです。

フリースケーティング冒頭2本の4Sでは、園子ちゃん、充子ちゃんの「はいっ!!!」が会場に響いていました。やはり全ジャンプ「はいっ!!!」をするべき。かけ声ジャンプ成功率アップ説を提唱しています。

ショートプログラムの「アランフェス」は演技最終盤、演技終了する20~30秒前くらいに跳ぶんですが、この位置にコンビネーションジャンプを置くことで曲調とも相まって最後まで緊張感がすごいです。もちろんこの緊張感は良い意味でですが。

吉岡希

今大会の神大会は彼から始まりましたね。ショートプログラムでは、鍵山選手→宇野選手の直後、しかも最終滑走と、常人なら絶対に滑りたくない滑走順での演技でした。女子の山下選手もそうでしたが、良い意味で彼のマイペースさが活きました。フリースケーティングでも飄々と演技をまとめきりました。「え、これ表彰台争いまでいくんじゃ…」という雰囲気がありました。

今シーズンからスケーティングが本当に化けました。まだ改善点はありますが、演技構成点でも少しずつ評価されるようになってきています。

昨年の全日本選手権なら5位相当のスコアです。これだけの演技して四大陸選手権代表に届かないのはさすがに枠が配慮すべき。(この感想しか言ってない)

杉山匠海

今シーズンは3Aが完全に武器となり、そのほかのジャンプに安定感が増しました。男子選手の中では体がかなり柔らかい方で、スピンで他の選手からリードを奪うことが出来る選手なので、ジャンプを強化できたことはかなり大きかったです。強化選手入りのボーダーラインである全日本選手権12位が現実的な目標となってきています。

何と言っても、針金が入っているような奇麗に伸びた腕が美しいです。今シーズンはショートプログラム、フリースケーティングともに非常に面白いプログラムを持ってきました。とくに、フリースケーティング「G線上のアリア/Mechanisms」が非常に面白いです。前半の美しいG線上のアリアのまま最後まで行くのかなと思いきや、突然のMechanisms。

昨シーズン、アデリア・ペトロシャン選手が実施し、今シーズンは上薗恋奈選手も実施しているフリースケーティング後半の突然のMechanismsですが、意外とプログラムとして成立していて癖になります。

杉山選手の場合は、要素配置がとても良いです。ジャンプ、スピン、ステップシークエンスと言った要素が音に合わせて実施されているので、演技構成点で評価されるでしょう。一度遅れてしまうと、再度音に追いつくのが難しいとは思いますが、そこを遅れずに実施できるのが彼の強みの一つかもしれません。

冒頭大技、2本目に3回転+2回転、後半に3回転+3回転、3回転+1回転+3回転というジャンプ構成も良いです。

周藤集

ショートプログラム「Per te」ではついに全ジャンプを揃える完璧な演技を披露して13位発進。昨シーズンから継続してきたプログラムの完成形を見せてくれました。とはいえ3Aと3F+3Tは堪える着氷となっていたので、まだまだ伸びしろがあります。点数大判振る舞いの印象があるジュニアグランプリシリーズならもっと点数出ていたでしょう。

周藤選手は上半身、とくに背中、肩甲骨辺りが本当に柔らかく可動域が広いように見えます。すべての要素で癖がなく奇麗にこなすことが出来る選手なので、課題となっているジャンプさえ成功させればそりゃ点数出ますよねという感じ。

あまり表情が変わらないタイプで、キスアンドクライでは中庭コーチの方が喜んでいる場面も多いんですが、今回はさすがに少し嬉しそうな雰囲気がありました。とはいえ、中庭コーチの方が50倍喜んでいますが。

世界ジュニア代表に大きく近づいたかと思われましたが、ショートプログラム翌日の公式練習で怪我(骨折)をしてしまい棄権。世界ジュニアにも間に合わないということで、代表選考は辞退となりました。ショートプログラムが良かっただけに本人が一番悔しいと思います。フリースケーティングの「ピアノ協奏曲第2番」で、シニア用にどんなプログラムを作ってきていたのかを見れなかったことが残念でした。

また、全日本ジュニア3位で決まっていたメダリストオンアイスも辞退。インド国歌斉唱を見たいよとも思いましたが、しばらくは治療に専念ですね。今回用意していたブルーノマーズのプログラムをいつか見れますように。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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