フィギュアスケート国際大会代表候補選手の発表

2023年から新しい試みとして、グランプリファイナル終了時点の国際大会代表選考基準を満たしている選手が全日本選手権前に公表されています。全日本選手権前にこの内容を予習しておきましょう。

選考基準自体は以下記事でも紹介しています。

目次

世界選手権

男子シングル

スクロールできます
選考基準該当選手繰り上がり可能性
1枠目全日本選手権優勝者
2枠目全日本選手権2位、3位
GPF出場上位2名宇野昌磨、鍵山優真三浦佳生*
SB上位3名宇野昌磨、鍵山優真、三浦佳生佐藤駿*
3枠目2枠目の選考で漏れた選手
WS上位3名宇野昌磨、三浦佳生、友野一希佐藤駿*、鍵山優真*
SWR上位3名鍵山優真、三浦佳生、宇野昌磨佐藤駿*、山本草太*
総合得点平均上位3名宇野昌磨、鍵山優真、佐藤駿三浦佳生*、友野一希*
世界選手権(男子シングル)候補選手

男子シングルは世界選手権出場枠が3枠あります。

現時点で全日本選手権以外の基準を満たしているのが、宇野昌磨(5/5)、鍵山優真(4/5)、三浦佳生(3/5)、佐藤駿(1/5)、友野一希(1/5)の5人です。この5人は選考上のテーブルに上ることが確定しています。ここだけ見ると、宇野・鍵山・三浦の3選手がやや抜け出たような印象があります。

ただし、注意点として、より上位の選考項目において選考済みの選手は除外され、繰り上がりで選考が行われます。報道等で今大会は宇野選手、鍵山選手の一騎打ちと言われていますので、1枠目、2枠目で両選手が選考された状況下における3枠目選考を仮定して考えてみましょう。

現時点で3枠目の選考テーブルに上るのは、三浦佳生(5/5)、佐藤駿(4/5)、友野一希(2/5)、山本草太(1/5)の4人です。ここに全日本選手権2位、3位の選手が入ってきます。2022年全日本選手権で2位だった島田選手は全日本選手権2位以外は選考基準を満たしておらず、世界選手権代表から漏れました。この事例から考えると、三浦・佐藤・友野・山本選手以外で世界選手権代表入りするには、全日本選手権表彰台はもちろんですが、内容やスコアもインパクトある結果が求められると思います。

女子シングル

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選考基準該当選手繰り上がり可能性
1枠目全日本選手権優勝者
2枠目全日本選手権2位、3位
GPF出場上位2名坂本花織、吉田陽菜住吉りをん*
SB上位3名坂本花織、吉田陽菜、渡辺倫果松生理乃*
3枠目WS上位3名坂本花織、三原舞依、渡辺倫果吉田陽菜*、千葉百音*
SWR上位3名坂本花織、吉田陽菜、渡辺倫果住吉りをん*、千葉百音*
総合得点平均上位3名坂本花織、吉田陽菜、住吉りをん渡辺倫果*、青木祐奈*
世界選手権(女子シングル)候補選手

女子シングルは世界選手権出場枠が3枠あります。

現時点で全日本選手権以外の選考基準を満たしているのが、坂本花織(5/5)、吉田陽菜(4/5)、渡辺倫果(3/5)、三原舞依(1/5)、住吉りをん(1/5)の5人です。グランプリファイナルに進出している住吉選手よりも、渡辺選手の方が選考テーブル上優位に立っているというのがミソですね。

女子シングルでは、特殊事情があります。それはジュニアの島田麻央選手の存在です。今シーズンSB1位である坂本選手に対して、島田選手はジュニアルールながらSB3位につけています。そして今回の全日本選手権では、ジュニアルールでは跳べなかったSP3A投入を明言しています。かなりの点数加算が期待でき、坂本選手と島田選手の2強対決と言っても全く言い過ぎではありません。しかし、ジュニアの選手が全日本選手権で優勝した場合の取り扱いについて、選考基準上の記載がありません。

選考基準における補足事項では、「『順位』で指定されている選考項目に関しては、繰り上げは行わない。」と記載があり、この記載に則ると、ジュニアの選手が全日本選手権で優勝した場合、年齢の規程上世界選手権代表に選出できないし、かといってシニア年齢の選手の中で1位の選手を繰り上げることもできません。対応策として、①1枠目は該当者なし、2枠目、3枠目の選手として選考基準に基づいて選考し、最後の枠は2枠目、3枠目の選考から漏れた選手の中から選考する。②2枠目、3枠目の選手として選考基準に基づいて選考し、選考終了とする(2人しか世界選手権に派遣しない)の2パターンが想定できます。

おそらく①の取り扱いになるものと思われますが、今シーズンの日本スケート連盟の出場枠放棄を見ていると、②も全くありえない話ではないのではないか…と思われるのが恐ろしいところです。

ペア

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選考基準該当ペア
全日本選手権優勝、2位、3位
WS最上位組三浦璃来 / 木原龍一
SB最上位組三浦璃来 / 木原龍一
世界選手権(ペア)候補選手

ペアは世界選手権出場枠が3枠あります。

ペアについては、三浦・木原ペアが木原選手の怪我により全日本出場辞退。しかし、過去に世界選手権3位以内の実績があるので、特例適用で確実に代表選考されます。

今大会出場者は長岡・森口ペアの1組のみなので、同ペアが最後まで演技すれば全日本選手権優勝で基準を満たします。ただし、まだミニマムスコアを達成していないので、全日本選手権終了時点では世界選手権代表は確定しません。全日本選手権での演技次第ですが、ミニマムスコア獲得するという条件付きの代表選考になるかもしれません。

アイスダンス

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選考基準該当組
全日本選手権優勝、2位、3位
WS最上位組小松原美里 / 小松原尊
SB最上位組小松原美里 / 小松原尊
世界選手権(アイスダンス)候補選手

アイスダンスは世界選手権出場枠が1枠あります。

現時点の選考上のテーブルで優位に立っているのは小松原ペアですが、今シーズンペアを結成した吉田・森田組、田中・西山組の勢いが凄まじく、全日本選手権の予選では小松原ペアを上回りました。ここまでに名前が挙がった3ペア全員に優勝、そして世界選手権代表の可能性があり、もしかすると全カテゴリ中で最も過酷な争いになるかもしれません。

世界ジュニア選手権

男子シングル

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選考基準該当選手
1枠目全日本ジュニア選手権優勝者中村俊介
2枠目
3枠目
全日本ジュニア選手権2位、3位中田璃士、周藤集
JGPF出場中田璃士
全日本選手権上位3位
SB上位3名中田璃士、中村俊介、蛯原大弥、垣内珀琉
総合得点平均上位3名中田璃士、中村俊介、垣内珀琉、蛯原大弥
世界ジュニア選手権(男子シングル)候補選手

男子シングルは世界ジュニア選手権出場枠が3枠あります。

1枠目は全日本ジュニア選手権優勝の中村選手が内定済み。2枠目はほぼ確実にジュニアグランプリファイナル優勝の中田選手が決まるでしょう。残る1枠を巡っての争いとなります。現時点で選考上のテーブルに上がっているのが、蛯原選手、垣内選手、周藤選手の3人ですが、世界ジュニア選手権はシニアの世界選手権以上に全日本選手権の結果だけで代表を決めているふしがあります。世界ジュニア選手権派遣希望を出している選手の内、全日本選手権最上位者が世界ジュニア選手権代表3枠目に入ると考えて問題ないでしょう。

女子シングル

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選考基準該当選手
1枠目全日本ジュニア選手権優勝者島田麻央
2枠目
3枠目
全日本ジュニア選手権2位、3位櫛田育良、上薗恋奈
全日本選手権上位3位
JGPF出場島田麻央、上薗恋奈
SB上位3名島田麻央、吉田陽菜、松生理乃、上薗恋奈
総合得点平均上位3名島田麻央、上薗恋奈、髙木謠、櫛田育良
世界ジュニア選手権(女子シングル)候補選手

女子シングルは世界ジュニア選手権出場枠が3枠あります。

1枠目は全日本ジュニア選手権優勝の島田選手が内定済み。残る2枠を巡っての争いとなりますが、ジュニアグランプリファイナル銅メダリストである上薗選手が一歩リードしている印象があります。

特筆すべきは、シニアで活躍している吉田・松生選手の名前がここにあることでしょう。男子シングルで同じくジュニア年齢である三浦選手は名前がないことから、世界ジュニア選手権の派遣希望を出していればここに名前が出てくるものと思われます。両選手ともにシニアの世界選手権の代表有力候補でもあるので、世界ジュニア選手権には選考されない可能性もありますが、もしシニアの世界選手権代表から漏れた場合は世界ジュニア選手権の残る代表枠2枠をまとめて持っていく可能性もあります。

吉田・松生両選手の全日本選手権での成績も、世界ジュニア選手権代表選考に大きく影響を及ぼしそうです。

2023年世界ジュニア選手権銅メダリストである中井亜美選手は、全日本ジュニア選手権において怪我の影響で10位となり、全日本選手権への出場を逃しています。過去に世界ジュニア選手権3位以内の選手が全日本選手権に出場できなかった場合、特例適用で代表選出することが可能となっています。しかし、そもそも全日本ジュニア選手権から全日本選手権に進出する際の枠をすべて使い切れば、中井選手も全日本選手権に出場できていました。それをしなかったということは、特例適用は望み薄かと思います。

ペア・アイスダンス

ペアは2枠、アイスダンスは1枠、世界ジュニア選手権の代表枠を有しています。

ペアは、清水咲衣・本田ルーカス剛史ペア(ミニマムスコア取得が条件)、アイスダンスは岸本彩良・田村篤彦ペアが代表選考を確実にしています。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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