2024年全日本選手権の予選会である地区ブロック大会が始まり、年末の全日本選手権出場に向けての戦いが始まりました。この記事では、2024年全日本選手権に出場するための道のりを、各地区の配分枠や出場予定選手から整理して見ていきます。
全日本選手権に出場するには
全日本選手権に出場するには、前年の全日本選手権で3位以内に入りシードを獲得している選手とジュニアからの推薦選手を除いて、全選手がブロック大会を勝ち抜く必要があります。ブロック大会は、東北・北海道、関東、東京の3ブロックの上位選手が東日本選手権に進出、中部、近畿、中四国・九州の3ブロックの上位者が西日本選手権に進出。そして、東・西日本選手権の上位者が全日本選手権に進出します。
全日本選手権出場のためのルートとシステムについては以下記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
男子シングル
ここからは、2024年全日本選手権の予選通過枠の詳細を見ていきましょう。
- シード選手 2人
- 東日本選手権 9人(内4人は免除)
- 西日本選手権 11人(内2人は免除)
- ジュニアからの推薦選手 最大8人
合計30人
シード選手 2人
鍵山優真、山本草太
※宇野昌磨さんが現役引退によりシード選手は2人になります。
東日本選手権 9人
- 免除選手 4人(三浦佳生、吉岡希、島田高志郎、佐藤駿)
- 東日本選手権 上位5人
主な東日本選手権出場見込み選手:大島光翔、菊地竜生
東日本選手権からは、免除選手である三浦選手、吉岡選手、島田選手、佐藤選手の4人を除いた上位5人の選手が全日本選手権に進出します。
昨シーズンは免除選手を除いた上位8人の選手が全日本選手権に進出しましたが、今シーズンは枠を減らしており、激戦が予想されます。
西日本選手権 11人
- 免除選手 2人(友野一希、壷井達也)
- 西日本選手権 上位9人
主な西日本選手権出場見込み選手:三宅星南、片伊勢武アミン、木科雄登、杉山匠海、織田信成
西日本選手権からは、免除選手である壷井選手、友野選手の2人を除いた上位9人の選手が全日本選手権に進出します。また、昨シーズンに西日本選手権から全日本選手権に進出した本田ルーカス剛史選手はペア転向、佐々木晴也さん、櫛田一樹さんが現役引退となっています。
西日本選手権からの進出枠は増えた上、上位層が抜けたこともあり、全日本選手権に初出場する選手が多く出てきそうです。
ジュニアからの推薦選手 最大8人
主な全日本ジュニア選手権出場見込み選手:中田璃士、周藤集、垣内珀琉、西野太翔、田内誠悟、蛯原大弥、高橋星名
ジュニアからの推薦選手は最大8人です。推薦選手となるには、全日本ジュニア選手権で8位以内に入ることが求められます。
昨年の全日本ジュニア選手権で8位以内に入り推薦選手となったメンバーのうち、中村俊介選手が国内大会ではシニアから出場しているため、少なくとも1人は全日本選手権初出場となります。昨年9位の森本涼雅選手、同10位の朝賀俊太朗選手が有力候補になるでしょうか。
女子シングル
- シード選手 3人
- 東日本選手権 9人(枠内4人)
- 西日本 10人(枠内3人)
- ジュニアからの推薦選手 最大8人
合計30人
シード選手 3人
坂本花織、千葉百音、島田麻央
東日本選手権 9人
- 免除選手 4人(渡辺倫果、青木祐奈、樋口新葉、住吉りをん)
- 東日本選手権 上位5人
主な東日本選手権出場見込み選手:江川マリア、吉岡詩果
東日本選手権からは、免除選手である渡辺選手、青木選手、樋口選手、住吉選手の4人を除いた上位5人の選手が全日本選手権に進出します。
免除選手以外だと、江川選手は今シーズン強化選手でもあり、実力的には抜けています。残る4枠を巡っての争いになると見て良いでしょう。
西日本選手権 10人
- 免除選手 3人(吉田陽菜、松生理乃、三原舞依)
- 西日本選手権 上位7人
主な西日本選手権出場見込み選手:山下真瑚、河辺愛菜、大庭雅、白岩優奈、三宅咲綺、横井きな結
西日本選手権からは、免除選手である吉田選手、松生選手、三原選手の3人を除いた上位7人の選手が全日本選手権に進出します。
上位7人という数字だけ見ると、多くの選手が全日本選手権に進出可能なように見えますが、西日本の女子はかなりレベルが高く、国際大会派遣経験のある選手が多く名を連ねます。その中でも、怪我で出遅れている横井選手は西日本に間に合うのか、全日本選手権出場12回という驚異的な成績を残している大庭選手が13回目の全日本選手権出場を決めるのかなど注目が集まります。
ジュニアからの推薦選手 8人
主な全日本ジュニア選手権出場見込み選手
島田麻央(シード)、櫛田育良、上薗恋奈、髙木謠、柴山歩、村上遥奈、河野莉々愛、岡万佑子、中井亜美、和田薫子
ジュニアからの推薦選手は最大8人です。推薦選手となるには、全日本ジュニア選手権で8位以内に入ることが求められます。
ジュニアからの推薦枠については、昨年大きく議論を巻き起こしました。シード選手である島田選手、ノービス年齢であり出場資格がなかった河野選手が全日本ジュニア選手権で8位以内に入りましたが、両名の存在は考慮せずに機械的に全日本ジュニア選手権8位以内の選手を全日本選手権に推薦しました。結果として、ジュニアからの推薦枠は最大8枠ありましたが、6枠しか使用しませんでした。
シード選手である島田選手が全日本ジュニア選手権で9位以下になるとは考えにくく、今年も同様の対応になるとすると、ジュニアからの推薦枠は実質最大7枠となります。ノービス年齢である金沢純禾選手にも勢いがあり、場合によっては昨年に引き続き推薦枠は6枠となるかもしれません。
昨年のジュニアからの推薦選手に関する議論については、以下記事でまとめています。
まとめ
2024年の全日本選手権の東・西日本からの予選通過枠と見どころをまとめました。日本のフィギュアスケートは非常にレベルが高く、毎年全日本選手権に出場できるボーダーラインの争いは本当にハラハラドキドキしながら見守っています。
今年もいよいよ全日本選手権への道が始まりますが、出場する選手全員が納得できる演技ができるよう祈っています。