2023ジュニアグランプリシリーズ1戦目【男女SP】結果・感想

ついにジュニアグランプリシリーズが始まりました!ジュニアグランプリシリーズが終了すると、その流れでシニアのグランプリシリーズが始まります。また、ジュニアグランプリシリーズと並行してチャレンジャーシリーズの大会も始まっていくので本格的にシーズン開始という雰囲気になってきました。

この記事では、2023年ジュニアグランプリシリーズ第1戦タイ大会の男女シングルショートプログラムの結果と演技の感想をまとめています。

目次

大会概要

概要

今回の会場はショッピングセンター内のスケートリンクらしい。負担のシニアレベルの国際大会ではありえないようなことが起きるのがジュニアでは起きて面白い。ザンボタイムにも照明が光ってノリノリな音楽が流れで、私が知ってるフィギュアスケート会場と違う…と思いながら見てました。

ところで、今回の日本代表メンバーは怒涛の全員MFアカデミー組です。そうすると、コーチの派遣費用が節約できるので意図的にまとめたんでしょう。

男子シングル・ショートプログラム

競技結果

スクロールできます
  Pl.  NameNationTSSTES PCSCOPRSKDed.StN.
1Jacob SANCHEZUSA77.6942.02 36.677.327.437.211.00#14
2Francois PITOTFRA76.5239.60 36.927.327.507.290.00#8
3Rio NAKATAJPN75.2839.25 36.037.117.117.360.00#11
4Yanhao LINZL72.2838.06 34.226.716.966.820.00#10
5Minkyu SEOKOR67.4034.09 34.316.616.867.071.00#3
6Yu-Hsiang LITPE65.7935.96 29.835.756.076.040.00#18
7Casper JOHANSSONSWE64.6433.80 30.846.146.296.040.00#5
8Wenbao HANCHN64.2132.73 31.486.216.256.390.00#12
9Grayson LONGCAN61.4130.51 30.906.256.186.070.00#22
10Tamir KUPERMANISR60.3931.88 28.515.685.755.640.00#13
11Michael XIEUSA59.2229.07 32.156.506.216.542.00#16
12Tsudoi SUTOJPN58.2926.60 32.696.506.256.821.00#1
13Artur SMAGULOVKAZ54.9227.00 27.925.545.615.570.00#6
14Rio MORITACAN51.8224.36 28.465.865.615.571.00#7
15Jarvis HOHKG47.6622.97 24.695.004.894.890.00#2
16Ze Zeng FANGMAS47.4422.76 24.685.004.964.820.00#9
17Vinceman CHONGAUS45.1221.56 24.565.004.754.961.00#19
18Cody KOCKRSA38.3017.11 22.194.464.544.291.00#21
19Betrand Zeusef ZURIELINA22.277.73 17.543.683.463.363.00#4
20Manjesh TIWARIIND21.938.73 15.203.252.713.142.00#20
21Hoang Huu NGUYENVIE9.792.49 10.302.141.962.073.00#17
WDBrandon James BALDOZPHI #15
男子ショートプログラム結果

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プロトコル

こちら

感想

Jacob SANCHEZ

3Aq ot,3Lz//3F+3T

16歳にしてはあまり体型がシニアで、演技も完成されている。

スケーティングが奇麗。そして何よりも要素間のつなぎの多さ!!!今大会出場している男子選手で群を抜いていました。つなぎで色々魅せようとサービスしすぎて転倒扱いを受けてしまいましたし、3Aでややバランスを崩しました。

それでも首位発進。2位との点差は1点差ですが、点差以上に実力の差は大きいと感じました。何なら今シーズンのジュニア男子の主役は彼かもしれませんね。4回転が跳べるなら2026年ミラノ五輪のアメリカ代表争いにも入ってくるでしょう。

Francois PITOT

3A,3Lz//3F!+3T

18歳なのでほぼシニアみたいなもんですね。つい最近までランドセル背負ってました!みたいな見た目のスケーターと、彼みたいにほとんど大人みたいな見た目のスケーターが勝負しているのがジュニアグランプリの面白いところです。

演技自体はスピードも出ていましたし、全体的にそつなくそれなりの質でこなしたという印象がありますが、強く印象に残るものが何かほしいと感じました。フランスの選手なので、ブノワ・リショーに振り付けを頼んだら化けるかもしれないですね。あと、ジャンプ着氷後にもう少し何か工夫がほしいところ。

フィニッシュのマトリックスポーズ、バランス崩してしまって草

中田 璃士

3A,3Lz//3T+3T(ガッツポーズ)

ジャンプ全てまとめてきました。冒頭3AもすぐにフリーレッグがついてしまいGOEの加点幅が狭くなってしまいましたが、着氷直後はGOE+1.6が出ていました。3Aと4Tは完全にものにした感じがあります。演技自体も曲に非常に合っていました。まだジュニア2年目のはずなのに、ものすごく演技は大人びています。最後のスピンでバランスを崩したことだけが残念でした。

ところで、最後の3T+3Tを決めて軽くガッツポーズしていましたが、あれくらいならまだかわいいものです。某アナスタシア・グバノワさんは、ジュニア時代最後のジャンプを跳んだあと自分のバランスが崩れるくらいの勢いでガッツポーズしていました。いわゆる大根ぶった切りガッツポーズです。気になる方は「グバノワ 大根」で検索してみましょう。

これだけの演技をしてSP3位という激戦具合ですが、調子は良さそうなので逆転優勝を期待したいところです。

Yanhao LI

2A,3F+3T//3Lz

まさかニュージーランドにこんな逸材がいたとは。

5か月前の世界ジュニアでショート落ちしていた選手とは思えないくらいの覚醒っぷり。全要素でGOEプラスを獲得して、3Aを跳ぶ選手と遜色ないTES(技術点)を稼ぎました。もう少し力強さというか、自らをコントロールできています!というものがほしいところですが、まだ15歳なのでこれから筋力が付いてきたら解消されるでしょう。

ジュニアグランプリシリーズはたまーに、こういうとんでもないダイヤの原石を見つけられるのが良いですね。

演技後はガッツポーズでリンクを叩き、キスアンドクライでは高得点を信じられないとでも言いたげな表情で喜んでいました。キスクラはこういう瞬間が良いのです。ロシア女子みたいに、「あ~そんなもんね」とフリースケーティング150点を見つめられると、「ええ…」とツッコミたくなります。

Minkyu SEO

3F+3Tfall,3Lz//2A

彼を「ミンギュ」と呼ぶのか「ミンキュ」と呼ぶのか、論争があります。

そんな日本人たちへ

「ミンち」と呼びなさい。さすれば問題解決だ。

彼はプログラムの完成度で勝負するタイプなので、ジャンプのミスが出ると上位陣から技術点で点差を開けられすぎてしまいます。とはいえ、3F+3Tの転倒以外は全要素GOEプラスをかなり稼いでいます。

曲は昨シーズン(2022~23)佐藤駿選手がエキシビションで演じたFlower Danceです。佐藤選手のFlower Danceは光の粒を切り開いていくような演技でしたが、「ミンち」くんのFlower Danceは衣装のピンク色も相まってか桜の木の下で舞っているように感じました。

周藤 集

3Aqfall,1F+2T//3Lz

神プログラム継続。「あ・・・ありがてぇっ・・・」(カイジの真似)

“Per Te”を演じる周藤選手の演技はとにかくすべてが柔らかい。上半身が柔らかく動き、スケーティングもきれいなのでとくに見せ場のステップシークエンスは非常に見ごたえがあります。

ジャンプのミスが相次いで出てしまいました。12位発進ですが、PCSは6位なんですよね。昨シーズンもそうだったんですが、国際大会でPCSの評価が非常に高いです。国内大会でももっと評価してください。よろしくお願いします。評価が高いだけに、ジャンプがそろわないことが残念です。

ところで、昨シーズン(2022~23)は全くなかったですが、今回ひたすら腹チラしていました。昨シーズンと同じプログラム・同じ衣装だから、身長伸びて衣装が小さくなったのかな~と思って昨シーズンの全日本選手権の演技を見返していましたが、単純に黒のインナー着てたからお腹が出なかっただけですね。遠征でインナーを忘れてしまったのでしょうか。

女子シングル・ショートプログラム

競技結果

スクロールできます
 Pl.  NameNationTSSTES PCSCOPRSKDed.StN.
1Ami NAKAIJPN67.4937.67 29.827.507.467.460.00#31
2Yuseong KIMKOR63.0435.93 27.116.866.826.710.00#6
3Annika CHAOUSA58.9332.71 26.226.646.576.500.00#22
4Yo TAKAGIJPN58.3032.70 26.606.576.686.751.00#11
5Ruichen TONGCHN57.4531.68 25.776.466.466.460.00#7
6Heesue HANKOR55.2929.41 25.886.436.396.640.00#13
7Hetty SHICAN54.0929.62 24.476.046.046.320.00#15
8Anthea GRADINARUSUI53.6231.47 22.155.545.505.610.00#3
9Sophia SHIFRINISR53.0729.95 23.125.795.715.890.00#27
10Amanda GHEZZOITA51.7927.95 23.845.966.005.960.00#14
11Phattaratida KANESHIGETHA51.1627.65 23.515.865.826.000.00#29
12Yu-Feng TSAITPE51.0926.88 24.216.076.255.890.00#4
13Hana BATHAUS50.0128.10 21.915.505.295.680.00#19
14Ella HAWKESRSA44.1522.49 21.665.505.465.320.00#30
15Ruotang LICHN43.5922.88 21.715.505.395.431.00#20
16Sofia Lexi Jacqueline FRANKPHI42.8524.42 18.434.464.864.540.00#26
17Ninon DAPOIGNYFRA42.3922.16 20.235.144.895.180.00#17
18Varvara KOROTKOVAUZB41.5422.03 19.514.894.824.960.00#18
19Anna Elizabeth GREKULGER40.1919.31 22.885.895.435.892.00#25
20Chloe Desiree LEUNGHKG39.7222.05 18.674.614.754.681.00#10
21Katherine ONG PUI KUANMAS39.1321.47 17.664.464.434.390.00#9
22Supitsara ATTAWIBOONTHA35.5518.36 17.194.394.144.390.00#21
23Jelizaveta DERECINALAT33.9517.89 16.064.144.003.930.00#8
24Vianna Shen-Rou LINKESGP31.2417.80 14.443.713.613.541.00#2
25Melody Asri FATIMAHINA30.7515.06 15.693.934.113.750.00#5
26Cristabelle CHANGTHA30.3916.67 14.723.753.643.681.00#12
27Misaki JOENZL25.7112.81 14.903.713.713.792.00#24
28Misheel OTGONBAATARMGL23.8713.13 12.743.293.043.252.00#1
29Elisa WESTERHOFUAE23.4212.93 12.493.183.143.072.00#28
30Hannah DABEESEGY19.697.97 11.722.892.962.960.00#16
31Huong Dieu LEVIE18.487.89 10.592.642.572.750.00#23
女子ショートプログラム結果

世界ジュニア銅メダリストの中井選手が首位発進、ジュニアグランプリシリーズ初出場の高木選手もミスが出たものの3位と僅差の4位とメダルに向けて好発進となりました。

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プロトコル

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感想

中井 亜美

2A,3F!+3T//3Lz

冒頭2Aが余裕余裕で逆に跳びにくそうで笑いました。「2A簡単すぎて草」って言ってそう。3Aジャンパーなので、普通にアクセルジャンプを跳んだら3Aになっちゃうんでしょうね。一番体力ある冒頭に2Aなので、とにかく力抜いて3~4割くらいの力で2Aを跳んでいるように見えます。いっそのこと、ステップ詰め込みまくってから2Aでも良いかもですね。

プログラムは7月のドリームオンアイス、先日の木下トロフィーを経て、抜群に良くなりました。木下トロフィーと比べるとPCSが全項目だいたい1点くらい高い。ただ、このスコアが出るのも納得というような素晴らしい演技でした。Baby, God Bless Youすごく似合っていますね。

先日の木下トロフィーでは、フリースケーティングがまだまだ演じ切れていない印象でした。約2週間でどこまで仕上がったのか楽しみです。

Yuseong KIM

2A,3F+3T//3Lz!

冒頭観客席側のリンク際から始まるFly me to the moon。遠足みたいな感じで観戦に来ている観客がややざわつく。

良い演技でしたが、ややスピード不足かな~という印象です。あと少しだけスピードが出せるようになれば、かなり見ごたえする演技になりそうだなと感じました。

高木 謠

3T+3T,2A//3Lz

見ていて思ったんですが、今回日本代表で出場している2人とも国内大会よりも国際大会の方が評価されそうなタイプですね。高木選手は、今流行りのパワースケートなので、もう少し「自分をコントロールできています!!!」感が出てくるだけで評価が跳ね上がりそうな予感が

出場選手の中でスピン・ステップオールレベル4でまとめたのは彼女だけでした。スピンステップの積み重ねが、ジャンプのミスを埋めてくれてメダル争いに残りました。

Ruichen TONG

3Lz,3S+2T//2A

上手すぎる!!!と思ったところと、ジュニアのトップグループと比べると見劣りするな~と思ったところの両方がありました。極端すぎる。前者は上半身の使い方です。ここはシニアの世界選手権に入っても見劣りしない。逆に後者としてはジャンプ前の減速です。着氷ももたついたような印象になってしまいました。

けどとても面白い選手ですね。これからが楽しみになりました。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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