ジュニアグランプリシリーズが第4戦まで終了しました。ここにきて、日本勢のエントリー変更が続いているので、一度情報を整理して、2023~24シーズンにおける派遣選手基準を考察しています。
時間がない人は、結論:日本選手JGPS派遣基準だけ見てもらえれば内容がわかります。
事実関係の整理
日本スケート連盟による派遣選手発表
ジュニアグランプリシリーズ開始前に日本代表選手がTwitter(現X。Xって本当になんやねん)にて発表されていました。その内容を選手ごとにまとめたのが以下の表です。ここで公表されていた派遣は「予定選手」であると記載があります。
第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 | 第6戦 | 第7戦 | |
中田 璃士 | 〇 | 〇 | |||||
周藤 集 | 〇 | ||||||
垣内 珀琉 | 〇 | 〇 | |||||
西野 太翔 | 〇 | ||||||
蛯原 大弥 | 〇 | ||||||
中村 俊介 | 〇 | 〇 | |||||
田内 誠悟 | 〇 |
第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 | 第6戦 | 第7戦 | |
中井 亜美 | 〇 | 〇 | |||||
髙木 謠 | 〇 | ||||||
村上 遥奈 | 〇 | ||||||
柴山 歩 | 〇 | 〇 | |||||
上薗 恋奈 | 〇 | 〇 | |||||
櫛田 育良 | 〇 | ||||||
島田 麻央 | 〇 | 〇 |
第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 | 第6戦 | 第7戦 | |
岸本/田村組 | 〇 | 〇 |
この時点で2戦派遣が予定されている選手と、1戦のみしか予定されていない選手がいます。
そして、TBDの記載があり、「TBDの選手は決定次第発表します」と記載があります。
ISUジュニアグランプリシリーズ2023/24の各大会への日本代表派遣予定選手が発表されました。#JGPFigure #figureskating pic.twitter.com/YA5bZGDpOR
— 公益財団法人日本スケート連盟 Japan Skating Federation (@skatingjapan) July 20, 2023
JGPSエントリーの変遷
次にジュニアグランプリシリーズのエントリーの変遷を見てみましょう。出場選手と補欠選手を登録する必要があり、期限までは出場選手と補欠選手を入れ替えることが可能ですが、出場選手にも補欠選手にも名前がない選手を追加することはできません。
出場選手は2023年9月17日現在までに、以下の変遷がありました。
第1戦
- 中田 璃士
- 周藤 集
- 中井亜美
- 髙木 謠
第2戦
- 垣内 珀琉
- 西野 太翔
- 村上 遥奈
- 柴山 歩
第3戦
- 蛯原 大弥
- 中田 璃士
- 中井 亜美
- 上薗 恋奈
第4戦
- 中村 俊介
- 田内 誠悟
- 周藤 集→三島 舞明
- 櫛田 育良
- 島田 麻央
- 髙木 謠
- 岸本/田村組
第5戦
- 垣内 珀琉
- 西野 太翔→OUT
- 柴山 歩
- 村上 遥奈
第6戦
- 蛯原 大弥
- 三島 舞明→OUT
- 上薗 恋奈
- 和田 薫子→OUT
- 岸本/田村組
第7戦
- 中村 俊介→?
- 田内 誠悟→?
- 島田 麻央→?
- 櫛田 育良→?
考察:派遣選手はどのようにして決定しているのか?
先に確認してきた事実関係を見ると、以下の点がわかります。
- 日本スケート連盟がTwitterで公開した派遣予定選手は、全員が予定通り派遣されている。
- JGPSエントリーされているものの、日本スケート連盟がTwitterで公開した派遣予定選手になっていない選手はエントリー変更されているケースがある。
日本スケート連盟がTwitterで公開した派遣予定選手になっておらず、JGPSエントリーがされている選手について詳しく見ていきます。該当者のうちエントリー変更された選手、エントリー変更されていない選手に区分しています。※第7戦出場予定選手は除いています。
- 周藤 集→三島 舞明(第4戦)
- 西野 太翔→OUT(第5戦)
- 三島 舞明→OUT(第6戦)
- 和田 薫子→OUT(第6戦)
- 髙木 謠(第4戦)
- 村上 遥奈(第5戦)
- 蛯原 大弥(第6戦)
エントリー変更有無で区分することで、ある程度規則性が見えてきます。1戦目の成績が良いかどうか、元々JGPSに派遣が予定されていた選手かどうかという点です。
- 周藤 集 第1戦 13位(165.24)
- 西野 太翔 第2戦 9位(175.90)
- 三島 舞明 第4戦 12位(173.21)※ただし、第4戦結果確定前にエントリー変更あり。元々の派遣予定なし(サブメンバー)
- 和田 薫子 1戦目派遣なし。元々の派遣予定なし(サブメンバー)。
- 髙木 謠 第1戦4位(171.61)
- 村上 遥奈 第2戦2位(168.37)
- 蛯原 大弥 第3戦3位(207.17)
少なくとも1戦目4位以上であれば2戦目派遣がある。9位以下であれば、2戦目派遣はない。元々派遣予定がなかったサブメンバーについては、予定通り派遣しないということがわかります。過去に公開されていたJGPS2戦目派遣基準が1戦目4位とされていたことから、1戦目4位が2戦目派遣の基準になっていたものと考えられます。
ただし、先に述べたように、日本スケート連盟がTwitterで公開した派遣予定選手は、全員が予定通り派遣されているため、事前に2戦派遣予定として公開された選手は1戦目5位以下でも予定通り派遣されるものと思われます。例えば、第2戦6位柴山選手、7位垣内選手は予定通り第5戦にエントリーされたままです。
注目すべきは、派遣基準を満たさずにエントリー変更される際に、選手入れ替えではなく、棄権扱いとして派遣枠を放棄している点です。昨シーズンは1戦目5位以下の選手でも、1戦目の成績が比較的良い選手から順番に2戦目に派遣して枠を使い切りましたが、今シーズンは基準を満たす選手がいない場合は枠を放棄するという方針のようです。
結論:日本選手JGPS派遣基準
ここまで考察してきた事項をまとめると以下のとおりになります。
- 日本スケート連盟が発表した派遣予定選手は、予定通り派遣される。
- 2戦派遣と日本スケート連盟が事前に発表した選手は、1戦目の成績にかかわらず2戦目に派遣される
- 1戦派遣としか発表されていなかった選手は、1戦目の成績が4位以上であれば2戦目に派遣される。
- 派遣予定と公表されていなかった選手(サブメンバー)は、派遣されることがない。ただし、日本大会は例外的に派遣されることがある。
- 2戦目派遣の基準を満たす選手がいない場合は、派遣枠を放棄する。
最後に、この基準をもとに、第5戦以降のJGPS日本代表派遣選手を予想していきましょう。第5~6戦はすでに公表されているエントリーのまま。第7戦のエントリーが、第4戦日本大会の結果で変化すると思われます。
- 垣内 珀琉
- 柴山 歩
- 村上 遥奈
- 蛯原 大弥
- 上薗 恋奈
- 岸本/田村組
- 中村 俊介→1戦目8位だが、元々2戦出場予定なので出場
- 田内 誠悟→1戦目10位につきOUT
- 島田 麻央→1戦目1位につき出場
- 櫛田 育良→1戦目4位につき出場
個人的には、せっかくある枠を放棄するのは…という気持ちがあります。しかし、事前にこういった派遣基準は選手たちに案内されていて理解しているようでしたし、強化費にも限りがあるでしょうし、ある程度はやむを得ないのかな…という気がします。
残りの3戦となり、折り返しを迎えましたが、日本勢の活躍を期待しています!
コメント