フィギュアスケートのグランプリシリーズに出場するには?

フィギュアスケートファンにとってグランプリシリーズは新しいシーズンの始まりであり、待ちに待った大会です。毎年10月から11月にかけて6か国で開催され、シリーズの上位6人(6ペア)がグランプリファイナルに進出します。しかし、この大会に出場する選手はどのように選ばれているのでしょうか?世界中からトップスケーターが集うこの舞台に立つためには、いくつかの基準があります。

この記事では、グランプリシリーズに出場するための条件をわかりやすく解説します!応援している選手がどのように選ばれるのかを知ることで、より一層応援が楽しくなるはずです。

目次

グランプリシリーズとは?

グランプリシリーズは、毎年10月から11月にかけて世界6か国で行われる国際大会です。シーズン後半に開催されるオリンピック、世界選手権に向けての前哨戦として位置づけられます。

開催国は原則として、日本、中国、アメリカ、カナダ、フランス、ロシアの6か国ですが、各国の事情により別の国で開催されることがあります。例えば、2024/2025シーズンはロシアでの開催はなく、代わりにフィンランドでグランプリシリーズが開催されました。ちなみにですが、グランプリシリーズ日本大会はNHK杯です。

グランプリシリーズ開催国
  • 日本
  • 中国
  • アメリカ
  • カナダ
  • フランス
  • ロシア

グランプリシリーズに出場するには?

出場選手は「シード選手」「復帰選手」「招待選手」「主催国選手」のいずれかに該当する必要があります。それぞれの選考基準を詳しく見てみましょう。

シード選手

シード選手は、前シーズンの世界選手権で上位6位以内に入賞した選手が対象です。この選手たちは自動的にグランプリシリーズ2大会に出場する権利を得ます。なお、原則として前シーズンの世界選手権で1位~3位の選手、4位~6位の選手は異なる大会に派遣されます(開催国の都合で例外あり)。

復帰選手

過去10年間に世界選手権で1〜6位に入賞しており、1シーズン以上競技から離れていた選手/カップルは、「復帰選手」としてグランプリシリーズ2大会に優先的に出場する権利が与えられます。ただし、本権利は競技生活の中で一度のみしか使用できません。

本権利をここ最近で活用した選手としては、2022年世界選手権銅メダリストであるアリサ・リュウ(アメリカ)が挙げられます。彼女は、2021/2022シーズンを最後に現役引退を発表したものの、2024/2025シーズンに現役復帰を果たすと、グランプリシリーズカナダ大会と日本大会に出場しました。

招待選手

シード選手以外でも、以下の条件を満たせばグランプリシリーズに招待されることが保証されています。

世界選手権の順位が7〜12位(ペア・アイスダンスは7〜10位)の場合は、グランプリシリーズ2大会への出場が保証されます。また、世界ランキング24位以内の選手、前シーズンのシーズンベスト24位以内の選手は最低1大会への出場が保証されます。

  • 世界選手権の順位が7〜12位(ペア・アイスダンスは7〜10位)
  • 世界ランキング24位以内
  • 前シーズンのシーズンベストが24位以内

一方で、シード選手の条件である世界選手権1位~6位、招待選手の条件である世界選手権7位~12位に該当する選手のほとんどは、同じく招待選手の条件である世界ランキング24位以内、前シーズンのシーズンベストが24位以内の条件を満たしています。この時点でグランプリシリーズ出場枠がすべて埋まることはないため、以下の条件に基づいてさらに招待選手が選ばれることになります。

過去3シーズンの間に、世界選手権で7〜12位に入ったペアが解散し新たなパートナーを組む場合、「リターンカップル」として認定され、招待される可能性があります。また、前シーズンに怪我等の理由で競技会に出場しておらず、2シーズン前、3シーズン前に世界選手権7位~12位に入っていた選手、ペアについても「リターンスケーター」として認定され、招待される可能性があります。

さらに前シーズンの世界ジュニア選手権メダリスト、ジュニアグランプリファイナル優勝者であり、ジュニアからシニアに移行する選手についても同様に招待される可能性があります。

  • ペアやカップルの再結成
  • 怪我や不参加から復帰する選手
  • ジュニアからシニアへ移行した選手(世界ジュニア選手権メダリスト、ジュニアグランプリファイナル優勝者)

主催国選手

各大会の主催国は、自国の選手を最大3名(ペア/カップルの場合は3組)まで出場させる権利があります。このため、国際大会での実績は乏しいものの、国内大会で勢いがある主催国の選手がグランプリシリーズデビューすることもあります。なお、ここでの最大3名は、上記のシード選手、招待選手を含めて3名となります。

その他の招待選手

上記で確認した「シード選手」「復帰選手」「招待選手」「主催国選手」を含めても出場枠の余りがある場合、前シーズンのシーズンベスト75位以内の選手から各大会の主催国が招待選手を決定します。

各国出場人数


同一国から出場できる選手は、同一大会中最大3人(3ペア)と定められています。つまり、グランプリシリーズ全体における男女シングル、ペア・アイスダンスの各種目において与えられる国ごとの最大出場枠は18枠(3人×6大会)となります。

招待選手の条件を満たしていたとしても、最大出場枠数を超えてグランプリシリーズに招待されることはありません。例として、2023年ヨーロッパ選手権金メダリストであるアナスタシア・グバノワは、ジョージアに移籍する前のロシア時代、シーズンベスト24位以内に入っていたにもかかわらずグランプリシリーズの招待から漏れました。ごくまれに強豪国ではこうした悲劇が起こるので注意が必要です。

なお、多くの選手はグランプリシリーズ2大会に出場するため、国ごとの最大出場人数は9人(9ペア)と覚えておくのが良いでしょう。


選手を応援するために知っておきたいこと

グランプリシリーズは、選手の実績をもとに決められる招待制の大会です。そのため、応援している選手がこの大会に出場できるかどうか、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう

  • 世界選手権で12位以内(ペア・アイスダンスの場合は10位以内)に入るかどうか
  • シーズンベスト、世界ランキングで24位以内に入るかどうか
  • ジュニアからシニアへ移行する年齢の場合、世界ジュニアでメダルジュニアグランプリファイナルで優勝できるかどうか
  • 同一国の中で、シーズン中の成績が何番目になりそうか
  • シーズンベスト75位以内に入るかどうか

まとめ

グランプリシリーズは、世界のトップ選手たちが集う大会です。シーズン前半に開催され、新しいシーズンを占う大切な前哨戦となります。

グランプリシリーズに出場するためには、過去の成績が非常に重要となります。グランプリシリーズに出場するにはどうすべきかを十分理解することで、応援している選手が翌シーズンにグランプリシリーズに出場するにはどの程度成績を残せば良いのかが明確になります。これらを頭に入れておくと、よりフィギュアスケート観戦を楽しむことができるでしょう。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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