2023ロンバルディア杯【男子FS】結果・感想

目次

大会概要

概要
  • 日程:2023年9月8日~9月11日
  • 開催地:イタリア
  • 動画配信:SolidSportでライブ配信※有料
  • リザルトサイト:こちらから
  • 主な出場選手:鍵山優真、吉岡希、吉田陽菜、アナスタシア・グバノワ

有料配信のはずのロンバルディア杯の映像がめちゃくちゃ出回っていて草。

まあ、今回に限った話ではなく、この界隈ではよくあることではありますが。

競技結果

総合

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FPl.NameNationPointsSPFS
1Yuma KAGIYAMAJPN265.5911
2Nika EGADZEGEO243.3532
3Andrew TORGASHEVUSA233.2624
4Camden PULKINENUSA210.4683
5Nozomu YOSHIOKAJPN210.4645
6Nikita STAROSTINGER198.3256
7Landry le MAYFRA189.7567
8Arlet LEVANDIEST185.73710
9Georgii RESHTENKOCZE183.8798
10Kornel WITKOWSKIPOL169.41129
11Milosz WITKOWSKIPOL160.891111
12Andrii KOKURAUKR151.681013
13Makar SUNTSEVFIN151.391312
男子シングル総合結果

フリースケーティング

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  Pl.  NameNationTSS
=
TES
+
 PCS
+
COPRSKDed.
StN.
1Yuma KAGIYAMAJPN174.1282.71 91.419.159.209.100.00#13
2Nika EGADZEGEO164.6092.00 73.607.357.157.601.00#11
3Camden PULKINENUSA147.5073.91 73.597.257.407.450.00#6
4Andrew TORGASHEVUSA146.8572.59 75.267.507.457.651.00#12
5Nozomu YOSHIOKAJPN140.3972.62 67.776.856.207.300.00#10
6Nikita STAROSTINGER129.0264.75 64.276.256.506.550.00#9
7Landry le MAYFRA123.7463.30 61.446.155.906.401.00#8
8Georgii RESHTENKOCZE123.0263.58 59.445.655.706.500.00#5
9Kornel WITKOWSKIPOL122.2458.96 63.286.356.356.300.00#2
10Arlet LEVANDIEST120.9856.38 65.606.756.556.401.00#7
11Milosz WITKOWSKIPOL110.4752.20 58.275.755.955.800.00#3
12Makar SUNTSEVFIN107.9752.53 57.445.955.555.752.00#1
13Andrii KOKURAUKR96.4539.84 56.615.805.705.500.00#4
男子フリースケーティング結果

感想

鍵山優真

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No.ElementBase ValueGOEScores of Panel
14S9.703.6913.39
22T1.300.051.35
33Lo4.901.476.37
4FCSSp43.000.783.78
53A+2A+SEQ11.302.4013.70
63F+2T7.261.178.43
73Lz6.491.658.14
8ChSq13.001.604.60
93F5.831.707.53
10StSq43.901.795.69
11CCoSp43.501.404.90
12FCCoSp43.501.334.83
Total63.6819.0382.71

これはすごすぎる演技でしたね。国際大会復帰戦にしては、あまりにインパクトが強すぎる演技でした。

上半身の動きのバリエーションが一気に増えたという印象があります。元々上手かったのですが、止める動き、ためる動きがとても上手になりました。

彼はここ最近「表現力を~」と話していますが、プログラムを演じる技術が明らかに上がったと思います。PCSでも全項目9点台に乗せてきました。全項目において、ほぼ全員のジャッジから9.00~9.50の評価を得ています。それだけの価値がある演技でした。

3F+2Tは練習のレポを読む限りでも予定通りで3F+3Tは予定していないような感じでしたし、予定構成から外れたのは4T+1Eu+3Sが2Tになったくらいです。結果的にジャンプ構成としては、4回転1回、3A1回とジャンプ構成で見ると、今大会に出場している選手の中でも真ん中くらい。

しかし、全要素でえげつないGOEを稼ぎ、GOEだけで20点近い点数を稼ぎました。特に4Sは7人中5人がGOE+4、StSqはなんとGOE+5が4人、+4が3人と、ほぼ満点に近い点数を稼いています。とはいえ、このStSqを見てしまったら、+5を押したくなる気持ちはわかります。むしろ+5しか押せません。ライブ配信でもStSq中の会場の熱気が伝わってきました。

ここで“Rain, In Your Black Eyes”のMVを見てみましょう。一貫して雨の降る街並みが映し出されています。このMVを見て感じたことが2つあります。

  • 曲調に合わせて雨の強さが変化していること
  • 雨降る街並みを見ている人物は登場しないこと

雨降る街並みを見る人物が登場しないことから、”Your Black Eyes”の”Your”とは、この映像を見ている人=私たちなのでは?と思いました。これは、私たちが見ている雨降る街並みの光景なのでは?と。そして、鍵山選手の演技に戻ると、曲調に合わせて演じ方を変えていることが見て取れます。穏やかな雨、そして最終盤の激しい雨を表現しているようです。私はずっと、このプログラムは鍵山選手の瞳に映る雨を表現していると思っていましたが、鍵山選手は雨自身であり、それを私たちが見ることで”Rain, In Your Black Eyes”が完成するのではないか?というのが私の解釈です。

ところで、2つの音楽トラブルがありました。①鍵山選手の演技前になぜか音楽を流し始めてしまったこと、②流し始めた音楽はすぐに止められたものの、なぜか演技開始時に止められた箇所から音楽を流してしまったこと。この2つです。1つ目はともかく、2つ目はなんでやねんという感が強いです。女子の表彰式でも音楽がめちゃくちゃだったので、今大会はその辺りがひどい運営だったのが残念です。

ニカ・エガゼ

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No.ElementBase ValueGOEScores of Panel
14T9.501.9011.40
24S+3T13.901.5515.45
34S9.701.7511.45
43A+2A+SEQ11.301.2812.58
5FCSp32.800.223.02
6StSq33.300.333.63
73A F8.80-4.004.80
83F+1Eu+3S11.110.3211.43
93Lz6.490.476.96
10CCoSp33.000.423.42
11ChSq13.000.803.80
12FCCoSp43.500.564.06
Total86.405.6092.00

足の状態が良くないという話を耳にしたので心配していましたが、非常に良い演技でまとめました。3Aの転倒こそありましたが、それ以外はほぼ完璧でしたね。これまでのFSの自己ペストは159.82点だったので、約5点自己ベストを更新する演技でした。

彼はまだジャンプが際立つものの、演技としてはまだまだ~のような雰囲気だったので、今回演じたロクサーヌのように演技しやすく、曲が助けてくれるようなプログラムはあっていますね。

ジョージアを長く牽引してきたモリス・クビテラシビリが昨シーズンで現役を退きました。これからは彼がジョージアを引っ張っていってほしいところです。彼の活躍がジョージアの国別対抗戦出場にもつながります。スーパースターの来日にもつながるということです。

キスアンドクライで、エテリちゃんとマカさん(ジョージアスケート連盟の会長)に囲まれているの絵面が強すぎて本当に笑いました。この2人は本当に圧が強い。

吉岡希

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No.ElementBase ValueGOEScores of Panel
14T+3T13.701.3315.03
22T1.30-0.031.27
33A8.001.609.60
4FSSp32.600.423.02
53Lo4.900.985.88
6ChSq13.000.203.20
73A+1Eu+2S10.78-0.1610.62
83F!+2A+SEQ9.46-0.858.61
9StSq43.900.234.13
103Lz6.49-0.476.02
11CCSp12.00-0.121.88
12CCoSp33.000.363.36
Total69.133.4972.62

今シーズンはファイナルファンタジーのサントラを使用したプログラムを用意していましたが、昨シーズンのパイレーツオブカリビアンにプログラムを戻しました。ファイナルファンタジーもかなり良いプログラムで、新しい吉岡選手の魅力を引き出していただけに少しだけ残念。

ただ、昨シーズンと同じプログラムを使用することで、昨シーズンからの彼の成長が顕著にわかりますね。PCSを見てみると、COとPRが6点台にとどまっているのに対して、SKは7点台となっています。SKについては、2位~4位のエガーゼ、プルキネン、トルガシェフからそこまで離されておらず、スケーティングスキルで評価されていることがわかります。

ジュニアだとこのスコアでも戦えるんですが、シニアだとやはり少し物足りないところがあります。PCS面ではかなりの成長が窺えるので、あとは彼の本来の武器であるジャンプの安定感を高められるかどうかが鍵になりそうです。DOIでも跳んでいた4Lz投入も見たいところです。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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