鍵山優真ベストプログラムトップ10

鍵山優真ベストプログラムTOP10【動画あり】個人的偏愛ランキング決定版 | hiroskate.com
ミラノオリンピックシーズンである2025-26シーズンを終えて、鍵山優真選手が2026-27シーズンの休養を発表しました。休養前最後の競技会となった2026年世界選手権で5回目のメダルを獲得するなど、2020年代の男子フィギュアスケート界をリードしてきた鍵山選手。今回の休養は「鍵山優真物語第1章の終幕」と言えるでしょう。そんな第1章の終幕の記念として、鍵山優真ベストプログラムをまとめたい!というのが今回の記事の趣旨になります。

正直なところ全てベストプログラムではあるので、選ぶのがとても苦しかったんですが…ぜひ一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!

ベストプログラムTOP10

1
「トゥーランドット」 2025-26 FS ローリー・ニコル振付

ミラノ五輪に向けた2025-26シーズン勝負のフリー。グラミー賞受賞作曲家クリストファー・ティンによるニュー・エンディング版は、ロンドンのアビー・ロード・スタジオでロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団が収録した超豪華版です。相手を打ち負かす愛ではなく、相手に寄り添う愛を描く、新しいトゥーランドットとカラフ王子の物語。振付はローリー・ニコル。鍵山優真選手のためだけに用意されたプログラムです(プログラム詳細はこちら)。

4回転の神に相対するスケーティングの神。ジャンプ・スピン・ステップ、演技構成のすべてが完璧で、これぞフィギュアスケートと言うべき演技です。

▲ 鍵山優真「トゥーランドット」

このプログラムを初めて見た2025年8月のサマーカップで、このプログラムは伝説になると確信しました!!!
2
「Rain, in Your Black Eyes」 2022-23/2023-24 FS エツィオ・ボッソ/ローリー・ニコル振付

足首の怪我を乗り越えて2シーズン滑り続けた、思い入れの深いフリープログラムです。イタリアの作曲家エツィオ・ボッソの繊細な音楽に乗せた演技は、鍵山優真の「美しいスケート」のすべてが詰まっています。後半になるにつれてリズムが加速していく曲の構造が演技と見事にシンクロし、息をすることを忘れるくらい美しい。

ちなみに、このプログラムを演じて準優勝を果たした2023年全日本選手権では、彼はステップシークエンスで少しだけ躓きます。私はずっと「最後まで…最後まで…」と死にそうな顔でお祈りしながら見ていたので、躓いた瞬間に感情の行き先がなく自分の太ももを2回ほど叩いていました。あまりの突然の奇行にとなりに座っていた方を驚かせてしまいました。その節は大変失礼いたしました。

▲ 鍵山優真「Rain, in Your Black Eyes」

難解で前衛的な曲なのに、滑れば滑るほど深みが増していった。静の表現が抜群に上手いです。
3
「I Wish」 2025-26 SP スティービー・ワンダー/角野隼人&マーシン編/ローリー・ニコル振付

ピアニスト角野隼人(かてぃん)とポーランド人ギタリスト・マーシン・パトルザレクがアレンジした2025-26シーズンのショートプログラムです。にやりと微笑んでスタートポジションにつくと、歴代のプログラムを詰め合わせたかのような振り付けの数々を見せてくれます。特にステップシークエンスは本当に難しいことしかやっていない。オリンピック団体戦ではそのステップシークエンスでジャッジ全員が満点をつけました。フリーのトゥーランドットがシンプルに優しく真っすぐなプログラムだとすれば、I Wishは「できること全部詰め込みました!」というプログラムです。軽快なリズムに乗せた洗練されたステップワークは、こんなに楽しそうに滑る優真くんが見たかった!という気持ちになります。

ところで、このプログラムの衣装は2回変更されており、仮衣装含めて3種類が存在しています。いずれも白と黒の衣装なので、彼が大好きなスヌーピーを意識しているのではと勝手に噂になっています(実は彼の正体そのものがスヌーピーなんですが)。氷上のスヌーピーと思えば、このノリノリっぷりも納得です。

▲ 鍵山優真「I Wish」

ステップシークエンス中盤で、アドリブだったはずが常に観客を煽るようになっていましたね。笑
4
「BomBom」 2019-20 EX Macklemore/佐藤操振付

2020年四大陸選手権と世界ジュニア選手権のエキシビション、2回しか演じられなかった幻のプログラムです。2大会ともに海外試合だったので、生で見た日本人はごく僅かだと思います。

2019-20シーズンは元々ジュニアで出場していましたが、推薦出場した全日本選手権で銅メダルを獲得。その勢いで四大陸選手権代表にも選出されるというシニア・ジュニア掛け持ちのシーズンでした。元々このシーズン用意していたエキシビションは「アップタウンファンク」で、「可愛い子にはアップタウンファンクをさせよ」ということわざ(?)が流行するほどに、少しぶかぶかのベストを着てノリノリで踊る姿は大変評判が良かったです。しかしある日、我々は雷を落とされます。四大陸選手権のエキシビション曲名欄にアップタウンファンクではなくBomBomと記載があり、曲を調べた人から「え、こんな大人っぽい曲滑るの…?」と困惑の声が次々と上がりました。そんな声をはねのけるように、音楽に身を任せて踊りたいままに踊るかのような演技を披露。今もなお、成仏しきれないゆまBom過激派を数多く生み出してしまいました。

▲ 鍵山優真「BomBom」

当時16歳でしか出せない良さがありましたが、今の優真くんが演じるBomBomも見てみたいですね!(成仏しきれないゆまBom過激派)
5
「Werther(ウェルテル)」 2023-24 EX マスネ/ローリー・ニコル&カロリーナ・コストナー振付

ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を題材にしたマスネのオペラ曲を使用した2023-24シーズンのエキシビションです。この前シーズンは怪我でほぼ全休となっており、怪我明けのアイスショーでいきなり見せつけられたのがこの「ウェルテル」でした。

実際にイタリアでオペラを鑑賞し、演技にも活かすようにと振付のローリー・ニコル、コーチのカロリーナ・コストナーから指導を受けたとのこと。当の本人は「イタリアはオペラが流行っている~」という天然発言をしていましたが、そんな発言をしていたとは思えないくらい美しく凄味がある演技です。空気を含んだ柔らかな滑りで苦悩する若者の内面を繊細に表現した、クラシカルなスケート技術の真骨頂とも言えるプログラム。全く曲調も違いますが、浅田真央さんの「チェロスイート」と重なるプログラムでした。衣装の美しさも見逃せません(これも白と黒ですが、スヌーピーではありません)。

▲ 鍵山優真「Werther(ウェルテル)」

ゆまテルは演技始まったと思ったら終わっています。体感2秒。
6
「Skydance」 2024-25 EX feat. Mariann Pleszkan/シン・イェジ振付

2024-25シーズンのエキシビションナンバーです。彼の歴代プログラムはローリー・ニコル、佐藤操振り付けが圧倒的に多いのですが、このSkydanceは唯一のシン・イェジ振り付けのプログラム。彼女の作るプログラムは、ブノワ・リショーに近いコンテンポラリーダンスのようなプログラム。だからだと思いますが、他のプログラムにはないコンテンポラリーな振り付けが際立ちます。クラシカルな振り付けが多かった彼のプログラムの中で、まだまだこんな魅力があるのか!と再発見させてくれた一作です。雄大な音楽に合わせて自由に演技する前半から、アップテンポな曲に合わせてかっこよく踊る後半へのコントラストが素晴らしい。

そして、どこかBomBomのような雰囲気を持つこのプログラムは、ゆまBom過激派を呪縛から解き放ってくれました。

▲ 鍵山優真「Skydance」

またイェジ先生振り付けも見たいし、リショー振り付けも見たいので、優真様におかれましてはぜひご検討ください。
7
「Ameksa/Romanza」 2024-25 FS ローリー・ニコル振付

初挑戦のフラメンコ、通称ゆまメンコ。新プログラムが判明したのは5月の大学見学会でした。突如現れた優真くんがいきなり新プログラムを滑るといういたずらっ子っぷりを披露し、ファンの間で「フラメンコ!?ゆまメンコ!?」と騒然となりました。その後、6月末のドリームオンアイスでも披露するかと思いきや、練習公開で曲をかけずに振り付けだけ披露するというまたまたいたずらっ子を見せつけてくれました。

中盤のRomanzaでは甘く切ない旋律に乗せてスケーティングスキルの高さを見せつけ、終盤Ameksaで踊りの上手さを爆発させるという構成です。彼の新しい魅力を引き出したプログラムであり、全日本選手権初優勝を飾った思い出のプログラムでもあります。

▲ 鍵山優真「Romanza(ロマンザ)」

全日本初優勝の演技は、一生忘れられないと思います。
8
「タッカー」 2019-20 FS 佐藤操振付

ジュニアラストシーズンのフリープログラムです。映画『タッカー』のジャズ調の楽曲に乗せた、軽快で躍動感あふれる演技。全日本選手権で初めて表彰台3位に入ったプログラムでもあります。この時の1位2位は宇野選手、羽生選手だったのですが、この2人を前に「次はてっぺんから良い景色を見たい」と発言して度肝を抜かれました。全日本選手権での演技は本当に衝撃的で、今から動画を見返してもスタンディングオベーションしていない人を見つけることが難しいほどです。

このプログラムは元々ジュニア用だったため、コレオシークエンスを披露したのはシニア用として滑った全日本選手権と四大陸選手権のみ。全日本選手権ではクリスマスコレオ、四大陸選手権ではバレンタインコレオと呼ばれたそのコレオシークエンスが、とてもかわいらしくてお気に入りです。

ところで、サスペンダー衣装は背中のサスペンダーが「Y」の形になるため、Yumaのアピールではないかと言われていました。もちろん今の方がすべてにおいて上手いことは言うまでもありませんが、16歳でこの完成度の高さは驚異的です。

▲ 鍵山優真「タッカー」

この頃には片足を沼に入れている段階でしたが、この演技で完全に鍵山沼に叩き落されました。
9
「グラディエーター」 2021-22 FS ローリー・ニコル振付

北京オリンピック銀メダルを獲得したフリープログラムです。闘技場の扉を開けるような振り付けで演技を始めると、様々な想いを胸に秘めたまま戦いに向かう剣闘士を表現します。衣装も鎧のように見えますね。静かな前半から戦いに向かう後半、なんと言ってもこのプログラムの見せ場は後半に跳ぶ3F+3Lo。ここでこの高難度ジャンプを跳び一気に視界が開け、迷いを断ち切り力強く進んでいく様子を表現しています。

オリンピック団体戦での演技は本当に驚異的で、北京オリンピックのハイライトの一つと言っても良いくらいです。

こんなにかっこいいのに、このプログラムの愛称が「ゆまちエーター」なのも含めて最高。

▲ 鍵山優真「グラディエーター」

当時既にトータルパッケージに優れた選手だったんですが、今は当時よりも数倍パワーアップしていて驚くばかりです。
10
「Frostline」 2025-26 EX 角野隼人/カロリーナ・コストナー振付

2025-26シーズンのエキシビションです。ピアニスト角野隼人(かてぃん)が「鍵山優真」をイメージして作曲した楽曲で、まさに鍵山優真のために作られた鍵山優真のプログラム。まるで雪が空を舞って地上に落ちてくる様のようであり、勇者の新しい旅立ちのようでもある、不思議なプログラムです。けど、ものすごく鍵山優真な楽曲。

ここ最近フィギュアスケート使用楽曲の著作権問題が取りただされているということもあってか、自分用の楽曲作成を依頼するという貴族の選択です。

ところで、衣装は楽譜の旋律を表現しているそうですが、牡蠣のようにも見えたのは私だけではないはず。

何はともあれ、このプログラムは鍵山優真第1章の終幕。そして、第2章へと向かう新たな旅立ち。そんなプログラムのように感じました。

▲ 鍵山優真「Frostline」

これはきっと新しいスタートの楽曲でありプログラム。鍵山優真第2章に幸あれ!

以上、完全に個人的な偏愛ランキングでした!改めて振り返ると、シニアデビューから今季まで毎年「これが最高」と思えるプログラムを生み出してきた鍵山優真選手の凄さを実感します。

無理やりトップ10に絞りましたが、他にも鍵山沼に落ちるきっかけとなった「マスク」(2018-19SP)、「竜馬伝(優真伝)」(2018-19FS)、お洒落なジャズのTake Five(2020-21EX)などなど名プログラムがたくさんです!

皆さんの推しプログラムもぜひ教えてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

目次