国別対抗戦の概要
2023年4月13日~16日に、東京体育館で国別対抗戦が行われました。
感想を4カテゴリ+総括みたいな感じで書いて行きましょう。
(世界選手権の感想もまだ書いてないのに・・・)
ところで、ライブ配信チケットはまだ購入することができます。公式練習も見れますし、マルチアングルで視聴可能です(2023年5月1日まで)。地上波放送があまり良い出来ではなかったので、不満がある方はライブ配信チケットを買いましょう。
試合結果
ショートプログラム(SP)
1.Ilia MALININ USA 105.90 (62.07+43.83)
2.Junhwan CHA KOR 101.33 (54.70+46.63)
3.Kevin AYMOZ FRA 100.58(54.17+46.41)
4.Jason BROWN USA 95.61(47.66+47.95)
5.Adam SIAO HIM FA FRA 92.82(49.56+44.26)
6.Daniel GRASSL ITA 89.81(48.37+41.44)
7.Kazuki TOMONO JPN 89.36(46.95+43.41)
8.Matteo RIZZO ITA 88.01(45.18+42.83)
9.Keegan MESSING CAN 79.75(35.66+44.09)
10.Sihyeong LEE KOR 77.24(42.22+36.02)
11.Shun SATO JPN 76.45(38.02+39.43)
12.Stephen GOGOLEV CAN 49.78(18.10+31.68)
フリースケーティング(FS)
1.Junhwan CHA KOR 187.82(95.54+92.28)
2.Matteo RIZZO ITA 187.35(99.24+88.11)
3.Jason BROWN USA 183.43(87.56+95.87)
4.Kevin AYMOZ FRA 178.85(88.73+90.12)
5.Ilia MALININ USA 173.64(92.53+83.11)
6.Daniel GRASSL ITA 173.53(91.81+81.72)
7.Keegan MESSING CAN 172.99(83.45+89.54)
8.Shun SATO JPN 164.86(87.90+76.96)
9.Kazuki TOMONO JPN 164.55 (78.21+86.34)
10.Adam SIAO HIM FA FRA 154.60(73.54+82.06)
11.Stephen GOGOLEV CAN 125.17(62.02+63.15)
12.Sihyeong LEE KOR124.82(63.42+65.40)
感想
とくに印象に残った選手だけ…
チャ・ジュンファン(韓国)
あまりのかっこよさとかわいさで私を沼に叩き落した人物(誰も聞いていない)。
先日の世界選手権では、クリーンプログラムを2つそろえて韓国男子初のメダル(銀メダル)を手にしましたが、今回の国別でも好調を維持していました。
公式練習見る限り、4Sは1回もミスすることがなかったのではないでしょうか?
4Sほど盤石ではなかったのが4Tと3Aでしたが、FSでは3Aの方でパンクが出てしまいました。その悪い流れに引きずられてか、直後の3Lz1Eu3Sもqマークと着氷が乱れてGOE減点となってしまいました。
この2つのミスがなければですが、世界選手権の出来でジャンプが跳べていれば+12点の加算が見込めます。彼のFSスコアは今回187だったため、FS200オーバー、総合300オーバーが目の前だったわけです。惜しすぎる!!!
とはいえ、SP初の100オーバー、国別初出場の韓国チームを銀メダルに導く素晴らしいキャプテンとしての演技だったと思います。ところで、1日目公式練習でSP曲かけ練習の3Lz3Loが3Lz2Loになったときの「やっちゃったーーー」というニコニコお口開けているところが大変かわいいので見てみてください。
イリヤ・マリニン(アメリカ)
世界選手権とは別人になりました。主にプログラムを表現するという点において。
世界選手権での経験や、その後のスターズオンアイス(SOI)の日本公演に参加していたので、そこで良い刺激を得たのかもしれません。事実PCSもSPは40.89→43.83、FSは80.98→83.11と世界選手権からの2~3週間で点数を上げてきています。上半身の使い方が明確に変わりましたね。
ところで私はジャンプに長けた選手が、「ジャンプだけ」と呼ばれることが非常に気に入りません。多くの場合が、本当に「ジャンプだけ」なのではなく、ジャンプのすごさが際立ちすぎていることにより、他の優れた点が見えにくくなっているだけだからです。
マリニンもジャンプのすごさに目が行きがちですが、プログラム終盤まで体力切れを起こすことなく、終盤ですらアクロバティックなコレオシークエンスを行っている点、スピン・ステップのレベルをあまり取りこぼさない点は同年代のスケーターと比較して優れた点だと思っています。
彼は来シーズンはより芸術面を強化していきたいと語っています。そうなれば鬼に金棒になるでしょう。
マッテオ・リッツォ(イタリア)
フリースケーティングが素晴らしかったですね。演技前にキーガンから力をもらったのだろうか…
私このプログラム結構好きなんですよね。基本的にずーっと歌詞ありプロは好きではないんですが、このプログラムはしっかり音を拾って演技してくれるのでお気に入りです。しっとり演技して、最終盤に盛り上がるのも最高!!
3Aにミスが出たのは残念ですが、しっかり4回転2本決めてFS2位の好成績でシーズンを締めくくってくれました。
ダニエル・グラスル(イタリア)
世界選手権ではあまりはまっていないような印象でしたが、今大会では最後まで集中力を保った非常に良い演技をしてくれました。彼の代名詞である4Lz,4F,4Loが少しずつ戻りつつあるように感じました。とくに4Lzが今大会2本とも認定されたのは大きかったのではないでしょうか?ドゥダコフメソッドによる覚醒を期待したいところです。
ところで、来季FSはリショープロになるようですね。エテリ門下でリショープロという不思議な状態に。SPがグレイ+エテリちゃんの鉄板ペアになるんでしょうか。今からSPFSともにどんなプログラムになるか楽しみです。
キーガン・メッシング(カナダ)
ついにこの日が来てしまいました。最後ノーミスでの締めくくりとはなりませんでしたが、「彼らしい」と感じる演技でした。最後の舞台に日本を選んでくれてありがとう。
クソデカカナダ国旗を振り回す姿は見れなくなるんですね。寂しくなります。
佐藤駿(日本)
4月6日に代打出場が決まり、1週間足らずの期間でこの国別に合わせてきました。
SPは苦しみましたが、FSの攻めの演技は今大会MVP級だったと思います。
冒頭4Lzが3Lzになると、4本目の4Tを4Lz再チャレンジ、そして最後の3Loを4Tに。
公式練習でも4Lzは全く決まらず、3Aもかなり不安定。4Tもいつものような安定感が戻らない中、FSでほぼすべてをそろえてきました。この演技は彼によって非常に大きいものになったと思います。来シーズンの大活躍が楽しみです。
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