全日本フィギュアで注目すべき“数字”とは?世界選手権代表選考から来季強化選手入りまで徹底解説

毎年年末に開催される「全日本フィギュア選手権」は、日本のトップスケーターたちが集結し、世界選手権代表をはじめとした国際舞台への切符を懸けて競い合う、国内最高峰の大会です。

この大会で注目すべきは表彰台だけに留まりません。選手たちが獲得する「順位」は、翌シーズンの強化指定や地域ブロック(東・西日本)の出場枠にも影響を与えます。実は「1位」「3位」「8位」「10位」「12位」「24位」といった特定の順位には、来季の強化指定や代表入り、全日本選手権への予選通過枠にかかわる重要な意味が隠されているのです。

本記事では、フィギュアスケートファンなら押さえておきたい、全日本フィギュアの「注目すべき数字」について、解説します。ぜひ最後までお付き合いください!


目次

注目の数字その1:1位(優勝)

1位で世界選手権代表内定

全日本フィギュアで優勝した(1位)選手は、「世界選手権代表」内定となります。

2022~23シーズン以降、シーズン全体を通して好成績を残していることが世界選手権代表選考に有利に働いている傾向があります。しかし、怪我等の理由により、シーズン前半は調整が間に合わず出遅れる選手も毎年数名存在します。出遅れをなかったことにし、世界選手権代表を一発確定させることが出来るのが全日本フィギュア1位(優勝)です。


注目の数字その2:3位以内(表彰台)

3位以内で世界選手権代表争いに大きく前進

3位以内、つまりメダルを獲得した選手世界選手権代表に大きく近づきます。

先述したとおり、最近の世界選手権代表選考はシーズン全体を通して好成績を残していることが求められています。必ずしも全日本フィギュア3位以内が即代表とはなりませんが、シーズン前半に一定程度の成績を残した選手にとって、全日本フィギュア表彰台は世界選手権代表入りへのチェックメイトとなります。

さらに、この成績は来シーズンの「特別強化選手」入りにも繋がります。特別強化選手は強化費支給はもちろんのこと、チャレンジャーシリーズを始めとした国際大会出場機会など、強化策を最大限に受けられるため、選手としてさらなる飛躍が期待できます。


注目の数字その3:8位以内(入賞)

8位入賞で強化選手A入りへの道

全日本フィギュアで8位以内に入賞すると、来シーズンに「強化選手A」に指定されます。ここ最近の傾向を見ると、後述する強化選手Bだと日本スケート連盟の派遣による国際大会出場の機会がかなり限られています。

特に、今シーズン2024~2025シーズンだと、強化選手Bに入ったにもかかわらず、国際大会に派遣されていない選手もいます。国際大会に出場し、世界に名前を売っていくということを考えると、今後世界のトップを目指す選手は全日本フィギュアで8位以内に入り、強化選手Aには入っておきたいところです。

若手選手やこれから世界トップへ駆け上がりたい選手にとっては、この条件をクリアすることが国際舞台への第一歩となるでしょう。


注目の数字その4:10位以内

10位以内が地域予選の行方を左右

全日本フィギュアの10位以内(シード選手、ジュニアからの推薦出場選手を除く)の結果は、翌年の全日本選手権における東日本、西日本のブロック枠配分に直接影響します。ここで上位を確保すれば、翌年の地域ブロックからの出場枠が増加し、その地域に所属する選手たちが全日本への挑戦機会を拡大できます。

シード選手、ジュニアからの推薦出場選手を除いて10位以内という計算となりますが、シード選手、ジュニアからの推薦出場選手は通常上位に入ってくるため、15位前後が基準になるものと思われます。

選手にとっては、シード選手、ジュニアからの推薦出場選手を除いて10位以内に入ることで、翌年自らが全日本フィギュアに進出しやすい状況を作ることが出来ます。しかし、これは自らのミスが翌年自らの全日本フィギュア進出へのハードルを上げてしまうということになります。翌年の動向を占う指標として、10位以内の結果は欠かせない要素です。

注目の数字その5:12位以内

12位以内で強化選手B入り

12位以内に入ると、来シーズンは「強化選手B」に指定され、連盟からのサポートを受けられます。

強化選手Bは特別強化選手、強化選手Aほどの支援ではないと思いますが、ナショナルトレーニングセンターの使用など強化策を享受できます。中堅レベルの選手にとってはまずは強化選手Bに入り、その後ステップアップしていくという道のりを歩むための第一歩となります。


注目の数字その6:24位以内

24位以内でフリー進出

全日本フィギュアでは、男女シングルにおいて最大30人が出場しますが、フリースケーティングに進出できるのはショートプログラム上位24位以内の選手のみです。全日本フィギュアへの厳しい道のりを勝ち抜いてきたにもかかわらず、最大6人はショートプログラムの演技のみで全日本フィギュアの競技を終えることになります。

ショートプログラムで出遅れたとしても、24位以内に入りフリースケーティングに進出できるのであればまだ挽回の機会はあります。しかし、ショートプログラム25位以下になると挽回の機会すら逃すことになってしまいます。

全日本フィギュアへの出場を目標としてきた選手にとっては、まずはショートプログラム24位以内に入って、フリースケーティングに進出することが第一の目標となるでしょう。

選手やファンにとって、これらの数字が持つ意味

全日本フィギュアは、優勝争いにどうしても目が行きがちです。しかし、それ以外の順位にも大きな意味があります。

1位や3位といった上位順位は世界選手権代表や特別強化選手入りへの切符となり、8位、10位、12位といった順位も来季の強化指定や枠配分に影響します。24位以内のSP通過ラインも、全日本フィギュア出場を目指してきた選手にとって重要な関門です。

優勝争いはもちろんですが、それ以外の順位争いにも目を向けて選手を応援すると、より全日本フィギュアを楽しむことが出来ます。ぜひ、注目して応援していただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

ただのフィギュアスケートファン。フィギュアスケート現地観戦し始めて10年前後。現在も日本国内の大会・アイスショーに出没しています。
このブログでは現地観戦の感想、日々感じたことをのんびり書いています。

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